かき「新秋」の加温ハウス栽培による安定生産

タイトル かき「新秋」の加温ハウス栽培による安定生産
担当機関 愛媛県立果樹試験場鬼北分場
研究期間 2000~2001
研究担当者 松下丈権
松本秀幸
森口一志
発行年度 2000
要約 かき「新秋」を、2月1日頃から最低温度15℃ 、最高温度28℃で加温ハウス栽培すると9月上旬に糖度20度の高品質果実を、毎年たくさん安定して収穫することができる。
背景・ねらい
かきは日本の秋を彩る代表的な果実であるが、その賞味期間は短く、経営規模の拡大を妨げている。そこで、早生甘柿で高糖度の「新秋」を早熟栽培することによって高収益を確保し、経営の安定に資する。
成果の内容・特徴
  1. かき「新秋」を2月第1半旬からハウス内を最低15℃に加温栽培することで、9月上旬に収穫ができる。加温開始時期がこれより遅いときは最低温度を18℃と高めにし、逆に早いときは12℃程度の低めに管理しても、ほぼ同じ収穫時期となる(表1)。
  2. 収穫時期は、どのタイプの加温方式でも満開後160日頃であり、10日後が収穫終りとなる。発芽、開花に至るまでの生長期間は、加温を開始する時期を遅くするほど、また最低温度を高くするほど短縮される(表1)。
  3. 成熟前期には果頂部に比べ、肩部の着色と糖度が劣るが、満開後150日頃から肩部の青みも消え十分に糖が乗り、160日を過ぎると着色と糖度の相関関係が消失し、完熟期となる。収穫は、着色がカラーチャート(平核無)で4、色差計のa値で20を目安にすると良い(表2、図1)。
  4. 高接8年目の樹では、葉果比10程度の管理で、樹冠占有面積当たり8kg以上と非常に高い生産力を示す。また、地元2類市場への2kg箱の出荷では、過去3か年の早期加温の平均精算価格は、2315円と高価格である(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「新秋」は単為結果力が極めて弱いので必ず受粉樹を混植し、ミツバチの導入等により受粉を確実に行う。
  2. 肥大が各ステージとも順調に進むよう、灌水を過不足なく行い、また枝葉の過繁茂やハウス内の過湿を避けるなどに留意して、汚損果の発生を防ぐ。
  3. 果実重により枝折れが多発するので、大枝~小枝に至るまできめ細かく枝つりする。

図表1 228877-1.jpg
図表2 228877-2.jpg
図表3 228877-3.jpg
カテゴリ かき カラー 経営管理 出荷調整 受粉 単為結果 ミツバチ

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