刈り込みせん定による園地別交互結実栽培技術

タイトル 刈り込みせん定による園地別交互結実栽培技術
担当機関 愛媛県立果樹試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 中川雅之
薬師寺弘倫
脇義富
発行年度 2000
要約 園地別交互結実の園では、遊休園のみ春季の刈り込みせん定を1回行う。10a当たりの作業時間が短縮されて省力化となり、また毎年安定 した生産量が確保でき、商品果収量が高まり経営安定が図れる。
背景・ねらい
愛媛県の主力品種中生温州について、隔年結果を逆手に活かした園地別の隔年交互結実による新しい省力・軽労働化と高品質化の栽培体系を確立するために、春季の刈り込みせん定法の開発と管理作業の省力化技術の開発を行い、現地圃場での経営調査と作業性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 園地別交互結実法では、生産園のせん定と摘果を行わない。遊休園は植木用の大鋏を用い、春季の刈り込みせん定を行うことで摘果の必要が無くなる。せん定時期は1~3月で、早期せん定ほど発芽量が多い。各種作業も放任に近い管理とし、防除作業も年2回とするため、遊休園の総管理作業時間は慣行栽培に比べて13%となり、生産園の分を入れても50~60%と大幅な省力化となる(表1)。
  2. 交互結実法の収量は平均すると慣行結実法の68%ではあるが、年度間の差が小さく、慣行結実園が、裏年に大玉果が多く着色が遅れるような時でも、M~L果中心で着色も進み、平均2.5t/10aと慣行法と同程度の商品果収量が得られる(表2,3)。
  3. 交互結実法では大幅な省力化が図られ、商品果収量も多いことから単位時間当たりの商品果収量が多く、安定生産につながる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 遊休年に、多数の夏秋梢が発生するが、これらは生産年の春に春梢の長さで切り、生産年における新梢の発生を促す部位とする。
  2. 前記の処理を行うことで、生産年に強い着果負担をかけると樹の衰弱の激しい早生温州にもこの技術は適応可能である。逆に樹勢の強い高糖系普通温州では、生産年に自然発生する春梢が多いので、特に1の処理は必要でない。
  3. 交互結実を実施するには表年から実施すると初年度の収量の落ち込みが回避できる。
  4. 処理1年目は剪定後にも着果が見られる場合が多いので、摘果剤を利用する。

図表1 228878-1.jpg
図表2 228878-2.jpg
図表3 228878-3.jpg
図表4 228878-4.jpg
カテゴリ 病害虫 経営管理 栽培技術 栽培体系 省力化 品種 防除

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