タイトル |
加温栽培によるポンカンの高品質早期出荷技術 |
担当機関 |
高知県農業技術センタ-果樹試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
五百蔵茂
小原敬弘
谷岡英明
又川浩司
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発行年度 |
2000 |
要約 |
高しょう系ポンカンの施設栽培において、1月下旬から4月下旬まで加温し、満開後140日以降に土壌乾燥処理をおこなうと、11月中旬に高糖度の大果が収穫できる。収穫果はエチレン処理すると、11月下旬に完全着色で出荷できる。
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背景・ねらい |
ポンカンの可食期は1月以降になることが多く、市場ニーズの高い年内出荷の比率は低い。また、寒害による果実の凍結被害を回避するため、収穫作業は12月中下旬に集中する。 そこで、加温栽培で熟期を促進し、高品質果実の早期出荷と収穫出荷労力の分散を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 高しょう系ポンカンの加温施設栽培において、1月下旬から4月下旬まで最低温度18℃、最高温度25~30℃で管理すると11月上旬に収穫できる。幼果期の昼温を高温管理すると糖度が低下するので、開花終了から1ヶ月間は最高温度が25℃以下になるように換気する(表1)。
- 天井面フィルムは土壌水分管理を容易にするため収穫終了時まで残し、7月中旬まで1週間間隔で10~20㎜の潅水を行う。満開後140日頃(7月下旬、果実ヨコ径5.5㎝)から収穫までは土壌乾燥処理により樹体の水分ストレスを高める。土壌乾燥処理で満開後180日(9月上旬)の糖度が9.8程度になるよう灌水を調節すると、糖度12.5、階級2~3L中心の果実が収穫できる(表2、図1)。
- 果肉先熟になるため、クエン酸含量が0.8g/100g程度となる11月中旬に6~7分着色で収穫する。収穫果実はエチレン500ppm(庫内温度20℃)で10時間処理し、20℃、湿度80%条件下で6~12日間貯蔵すると完全着色で出荷できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 高しょう系ポンカンの徳村系を供試した。同系統の加温栽培に取り組む農家に適用できる。
- 葉果比は80程度とし、2次落果の終了する5月中旬に早期摘果して肥大を促進する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
施設栽培
出荷調整
ぽんかん
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