中山間傾斜地におけるテラス式茶園整備法とそのコスト評価

タイトル 中山間傾斜地におけるテラス式茶園整備法とそのコスト評価
担当機関 香川県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 岡崎 力
発行年度 2000
要約 中山間傾斜地におけるレール走行式茶園管理機 とテラス間移動システムの導入及び効率的利用を前提としたテラス式茶園整備法をシミュレーションした結果、造成コストは、基盤造成工(基盤切盛工+法面工)の占める割合が高く、山腹緩傾斜地の適応性が高い。
背景・ねらい
中山間傾斜地茶園における不利な労働条件を改善するため、機械導入を前提とした茶園整備法の開発が強く求められている。そこで、他の工法と比較して工期が短く、土工量も少ないテラス(階段畑)工を取り上げ、レール走行式茶園管理機の効率的利用が可能となる茶園整備法をシミュレーションするとともに、そのコスト評価を行う。
成果の内容・特徴
  1. テラス式茶園の標準区画(表1)は、レール走行式茶園管理機の作業性からみて、①区画形状は、原則として正・長方形テラスとし、1区画ほ場面積3a以上、うね長は35~70m、畑面傾斜度は5~10度とする。②耕作道路は、勾配12度以下、幅員は3m以上とする。また、畑面と最低1ケ所の接点を有し、各ほ場に隣接する。③テラス間移動システム(図1)の係る法面は、法高(最大区間段差)を3m」以下、法勾配1:1.5(盛り土法面)では法長5m以下、法勾配1:1(切土法面)では法長4m以下とする。本標準区画による茶園整備により、レ-ル走行式茶園管理機及びテラス間移動システムが導入できる。
  2. 県内茶園の代表的な現況地形である山腹緩傾斜地と同急傾斜地を本整備法によりシミュレーションした結果(図2)、山腹緩傾斜地は同急傾斜地より、ほ場面積あたりの土工量が少なく、ほ場面積率が確保され、適応性が高い(表2)。
  3. 本整備法における造成コストは、基盤造成工(基盤切盛工+法面工)の占める割合が最も高いため、山腹急傾斜地では事業費が増大する(表2)。 
成果の活用面・留意点
  1. 本整備法は、土地利用率及び防災等を踏まえ、現況傾斜度10~25度の傾斜地茶園に適応できる。
  2. 本シミュレーションの活用により、整備後のイメージをより具現化でき、合意形成の促進が有効である。
  3. 機械導入を前提とした茶園整備には、造成コスト及び育成経費等の初期投資額が多くなるため、営農計画の策定に当たっては、十分検討を行う必要がある。
  4. シミュレーションに使用したソフトは、MapEntry2(農工研)、傾斜地におけるほ場整備計画支援システム(JIID)である。

図表1 228909-1.jpg
図表2 228909-2.jpg
図表3 228909-3.jpg
図表4 228909-4.jpg
カテゴリ 傾斜地 コスト 中山間地域

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる