天然アワビ資源の変動予測

タイトル 天然アワビ資源の変動予測
担当機関 岩手県水産技術センター
研究期間 1996~1997
研究担当者 武蔵達也
西洞孝広
遠藤 敬
発行年度 1997
要約 天然アワビ資源の変動は、満1齢の天然発生アワビ稚貝の出現量を調べることによって予測可能であった。また、天然発生アワビ稚貝(満1齢貝)の出現量は冬季の水温(1~2月の平均水温)の高低によって増減することが判明した。
背景・ねらい 岩手県のアワビの漁獲量は、漁獲量の変動が小さい放流貝(44t~105t)と漁獲量の変動が大きい天然貝(107t~418t、昭和40年代は 1,000t以上)の合算で表される。つまり、アワビの漁獲量の増減は天然アワビ資源の変動によって決まるといっても過言ではない(図1)。
そこで、天然アワビの資源量の変動を、天然発生したアワビ稚貝(満1齢貝)の出現量によって評価することの可能性及びアワビ稚貝(満1齢貝)の出現量を左右する条件を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 天然アワビ稚貝(満1齢貝)の出現量は殻長組成から容易に推測できた。また、殻長組成の経年変化から、年級群の成長が読みとれた(図2)。
  2. 天然アワビ稚貝(満1齢貝)の出現量と1、2、3月の海水温(宮古測候所による宮古湾の月平均水温)に相関関係が見られた(表1)。特に1、2月の水温の平均値と関係が深く(図3)、冬季の水温は、天然発生したアワビ稚貝が満1齢に達するまでの生き残りに大きく関与することが明らかとなった。
成果の活用面・留意点
  1. 天然アワビ稚貝(満1齢貝)の出現量から数年後の漁獲対象アワビの資源量の多寡が予想できる。
  2. 冬季の水温(1~2月の平均水温)の推移から今年のアワビ稚貝の出現量の多寡を予想できる。
図表1 229076-1.gif
図表2 229076-2.gif
図表3 229076-3.gif
図表4 229076-4.gif
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