ホッキガイの中間育成

タイトル ホッキガイの中間育成
担当機関 福島県水産種苗研究所
研究期間 1993~1997
研究担当者 加藤 靖
根本昌宏
鈴木 信
発行年度 1997
要約 延縄式中間育成を実施した結果、稚貝の回収率は42%であり、十分中間育成が可能と思われた。また、垂下する方式では、ロープ式またはロープ+鎖式が、ロープの代わりに板ゴムを用いたゴム式、ゴム+鎖式より稚貝の回収率は高かった。
背景・ねらい 昨年度に実施した延縄式中間育成は、稚貝の回収率が2.8%と非常に低く、中間育成に使用した種苗に問題があった可能性もあったので、再度、延縄式中間育成での回収率を検討した。
従来のロープによる垂下方法の他に、鉄枠に鎖の重りを付けたもの、ロープの代わりに板ゴムを使用したもの、さらにそれに鎖の重りを付けたものの4種について、稚貝の回収率を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 福島県相馬市松川浦漁港内で、平成9年6月25日から8月22日まで、58日間中間育成を行い、平均殻長12.56mmの稚貝15.2万個体を回収し、回収率は42%であった。この値は、海底支点式施設のものとそん色なく、延縄式中間育成も十分可能であると思われた。
  2. 垂下施設を従来のロープ式、鉄枠の下に鎖の重りをつけたロープ+鎖式、ロープの代わりに板ゴムを使用したゴム式、さらに鉄枠の下に鎖の重りをつけたものゴム+鎖式で稚貝の回収率を比較した結果、ロープ式が48±9%、ロープ+鎖式が45±16%、ゴム式が32±5%、ゴム+鎖式が33±6%と、ロープ式、ロープ+鎖式の方がゴム式、ゴム+鎖式より高かった。ロープ式とロープ+鎖式では差がなかった。
成果の活用面・留意点 対象魚種の多い底魚類の資源量調査には、調査海域に分布する魚種の資源量を同時に推定できる面積-密度法が有効と考えられる。今後、漁獲量規制が行われるため、漁獲物の資料からの資源量推定が困難となる。漁業から独立した本研究の調査手法は有効かつ迅速な調査技術となるであろう。しかしながら、調査海域が分布域をカバーしていない魚種や中層遊泳性の魚種への適応は困難である。漁獲効率(網口の前の魚の何割が漁獲されるか)を魚種別に求め、資源量を推定する必要がある。
図表1 229079-1.gif
図表2 229079-2.gif
図表3 229079-3.gif
図表4 229079-4.gif
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