インターネット利用による漁場マップ衛星画像の作成と漁船への広報システム開発

タイトル インターネット利用による漁場マップ衛星画像の作成と漁船への広報システム開発
担当機関 茨城県水試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 郡司 博
二平 章
発行年度 1999
要約 インターネットを利用した衛星画像データの取り込みと画像処理ができるパソコンソフトの開発と、それを利用した漁場マップ衛星画像情報を準リアルタイムにしかも日常的に漁業生産現場に提供するシステム開発を行った。
背景・ねらい 漁業生産現場での衛星画像情報の直接受信方式はコスト高でまた解像度が悪いため利用する上で不便である。そこで、北部まき網を対象に水温、海色の衛星画像情報に漁場位置・漁獲量情報を取り込み魚群情報と海洋環境情報を一体化したインターネットによる準リアルタイムの情報提供システム開発を目的とした。本研究では漁業無線局が、人事異動が少なく、通信技術の専門家集団であること。24時間の勤務体制にあり、漁船情報のリアルタイム受信が可能であること。統廃合にさらされている無線局の新たな可能性を開き、地方における研究と広報の分業化ができること。漁業にとらわれず地方の農業・林業など他の衛星情報分野への貢献可能性をひらくことなどの面で最適な機関であることをふまえ、無線局を「地方の衛星情報局」として位置づける業務の高度化も目的とした。なお、この研究は宇宙開発事業団・リモートセンシング技術センターによる衛星リモートセンシング推進委員会、衛星利用デモンストレーションプロジェクト研究として実施した。
成果の内容・特徴
  1. これまでなかった現場対応型Windowsパソコン用画像処理ソフトの開発を行った。この画像処理ソフトの特徴は
    1. 漁業現場対応の簡易型である
    2. インターネットからのデータ取り込み処理が可能
    3. 等温線、等値線の自動描画処理ができる
    4. 複数画像の合成ができる
    5. 水温、クロロフィルデータのデジタル表示可能
    6. 漁獲位置マッピング処理可能
    な点にある。
  2. NOAAの海水温画像、SeaWiFSの海色画像の数時間スケールでの準リアルタイム伝送実験を実施した。Windows用画像処理ソフトを漁業無線局のコンピュータに組み込み、NOAA画像、SeaWiFS画像をインターネット受信し、画像処理、等値線描画、漁場位置プロット処理をしたあと、調査船水戸丸へ送信した。衛星画像はデータ発生から受信、処理、漁船向け送信までに地方機関においても数時間以内に行えることを明らかにした。
  3. 漁業無線局の日常業務として衛星画像と漁場データをマッピングして、約半日以内の準リアルタイムで情報提供をする体制をスタートさせた。
成果の活用面・留意点 本研究で開発されたシステムにより、無線局の日常業務としてNOAA衛星画像および漁場マップ情報が海上・陸上の北部まき網業界へ毎日配信されている。今後は対象を北部まき網以外の漁業に広げること、海色画像の配信利用が考えられる。
図表1 229154-1.gif
カテゴリ 画像処理 コスト リモートセンシング

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