タイトル | 人工衛星により得られた東シナ海の水色分布とまき網漁業形成の関係 |
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担当機関 | 西海区水産研究所 |
研究期間 | 1998~2000 |
研究担当者 |
横内克巳 岡村和麿 清本容子 浅野謙治 長田 宏 |
発行年度 | 2000 |
要約 | 人工衛星水色画像から東シナ海の植物プランクトン分布の特徴を抽出し、マアジ・マサバのまき網漁場との関連性を検討した結果、それらの漁場が水色前線と黒潮前線に挟まれた比較的水の澄んでいる水域に集中していることが明らかになった。 |
背景・ねらい | 広い大陸棚と複雑な海洋環境を背景として生物生産性が高い東シナ海は、中国、韓国、日本などが入会いで利用する世界的な好漁場である。アジ・サバ類を主対象として開発されてきたまき網漁場の漁場形成機構に関する知見は、漁獲統計や海洋観測結果等をもとにしている。一方、近年人工衛星による水色観測が開始されたことから、海洋の一次生産者である植物プランクトン現存量の分布を広域的・同時的に把握できるようになり、海洋学的研究並びに水産業への実利用に向けた研究が活発化している。本研究では、人工衛星海色センサーによって観測された東シナ海の水色画像をもとに、植物プランクトン現存量(クロロフィル濃度)の空間分布と季節変動の特徴を抽出し、マアジ・マサバの大中型まき網漁場との関連性を検討した。 |
成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 | 衛星画像は、マアジ・マサバの漁場形成機構を考える上で、生息水温と餌料環境等を総合的に判断するための有効な手段となる。植物プランクトン現存量の季節変動が水域により異なる要因の一つとして、冬季における海底からの再懸濁物や夏季の河川流入等の影響による画像データの不正確さが考えられることから、船舶観測にもとづく検証研究により精度を上げる必要がある。今後は衛星観測と漁場形成が同期しているデータを比較検討することによって前線や渦などの微細な海洋構造に対応した漁場形成機構に関する研究を行う必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 季節変動 |