タイトル |
岩手県におけるアイナメの資源管理手法の開発 |
担当機関 |
岩手県水産技術センター |
研究期間 |
1999~2004 |
研究担当者 |
後藤 友明
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発行年度 |
2004 |
背景・ねらい |
岩手県では、アイナメは沿岸域における重要な漁業資源となっており、刺網や延縄によって年間120トン~150トンが漁獲されている。しかし、近年、アイナメの漁獲量は減少傾向にあるため、効果的な資源管理の実践が望まれてきている。そこで、本研究は、岩手県におけるアイナメ資源の動向を明らかにし、漁業実態を考慮に入れた効果的な資源管理手法を開発して漁業者等に提案することをねらいとした。
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成果の内容・特徴 |
- 水揚げ量のデータと魚市場における体長組成データから、平成10年以降におけるアイナメの年齢別資源量を推定した(図1)。その結果、岩手県のアイナメ資源は、平成11年にいったん減少したが、その後増加傾向にあると推定された。0歳魚の加入資源尾数は緩やかに増加傾向を呈してきたが、平成15年に入って減少に転じた。
- 平成17年から10年間、4通りの資源管理措置を行ったと仮定して、資源尾数、漁獲量及び漁獲金額の管理効果を現状の漁獲を続けた値との比により表した(図2~4)。想定した管理措置は1尾叉長20cm未満魚再放流、2尾叉長25cm未満魚再放流、3尾叉長30cm未満魚再放流、そして4産卵期である12月の禁漁とした。
- 管理開始10年後の資源尾数は、2の仮定では1.4倍、3の仮定では1.7倍、1の仮定では1.1倍、4の仮定では1.1倍であった(図2)。
- 漁獲尾数は、2の仮定では管理開始後3年間約1割減となるが、平成26年には1.3倍となり、3の仮定では管理開始後5年間約1~2割減となるが、平成26年には1.3倍となると予想される。一方、1と4の仮定では、ほとんど管理効果は見込まれなかった。(図3)
- 漁獲金額は、2の仮定では管理開始後1年間のみ約1割減となるが、平成26年には1.4倍となり、3の仮定では管理開始後2年間約1割減となるが、平成26年には1.5倍であり、1の仮定では管理開始後の減はほとんどみられず、平成26年には1.1倍になると見込まれた。一方、4の仮定ではほとんど管理効果は見込まれなかった。(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果に基づいて、平成16年度中に資源管理指針が作成され、平成17年度から漁業者等による資源管理型漁業実践に向けた具体的な協議が行われる
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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