タイトル | ヒメマスの肉色改善方法について |
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担当機関 | 岩手県内水面水産技術センター |
研究期間 | 2004~2004 |
研究担当者 |
岩手県内水面水産技術センター 魚病部 工藤飛雄馬 |
発行年度 | 2004 |
背景・ねらい | ヒメマス生産のほとんどは、北海道、青森県、秋田県および栃木県等の天然湖沼における漁業によるもので、養殖による生産はごくわずかしか行われていない。しかし、ヒメマスはベニザケと同じ種で、大変おいしく、高価格で取り引きされていることから新しい養殖魚種として期待されている。 そのため、岩手県ではヒメマスの養殖化に取り組み、種苗生産の効率化技術等の開発を行ってきた。しかし、天然ヒメマスは赤い色素を含んだプランクトンを食べることによって肉色がきれいなサーモンピンクになっているのに対し、養殖ヒメマスの肉色は白く、商品にするには問題がある。そこで、本研究では養殖ヒメマスの商品価値向上のため、天然魚の肉色に近づける技術の検討を行った。 |
成果の内容・特徴 | 天然魚の肉色の実態を把握するため、十和田湖で漁獲されたヒメマス11尾について画像解析ソフト(Adobe Photoshop)を用いて解析した結果、赤みの度合いを示すR/G値の平均値は2.0(同じ個体を色彩色差計で測定した時の赤みの度合いを示す*aの平均値は7.6)を示した。このことから、養殖ヒメマスの肉色の目標値を2.0とするのが適切であると考えられた。 サケ科魚類の肉色改善に用いられている2種類の色素(アスタキサンチン、カンタキサンチン)を用い、餌にそれぞれ100ppmの濃度で添加し比較したところ、アスタキサンチンの効果が高く、4ヶ月間でほぼ天然魚と同じ肉色になった(図1)。 ブドウの種子から抽出されたポリフェノールは、サケ科魚類の肉色改善において、アスタキサンチンの投与量を節減することが報告されている。そこで、ヒメマスにおけるポリフェノールの添加効果を調べたところ、アスタキサンチン100ppmを単独で投与するよりも、アスタキサンチン100ppmにポリフェノールを加えた区の肉色改善効果が高く、3ヶ月で天然魚と同程度の肉色になった(図2、3)。 |
成果の活用面・留意点 |
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図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | コスト ぶどう |