佐賀県玄海海域におけるケンサキイカの生態について

タイトル 佐賀県玄海海域におけるケンサキイカの生態について
担当機関 佐賀県玄海水産振興センター
研究期間 1998~2003
研究担当者 荒巻 裕 佐賀県玄海水産振興センター
野田 進治
発行年度 2004
背景・ねらい ケンサキイカは佐賀県玄海海域における最重要魚種のひとつであるが、近年その漁獲量は減少傾向にある。
ケンサキイカ資源の維持,増大をすすめるうえでは、当海域における生態を把握しておくことが必要である。そのため、分布,成長,成熟,産卵等に関するこれまでの知見に最新の調査結果を加え、総合考察した。
成果の内容・特徴 九州北西海域のケンサキイカには春生まれ,夏生まれ,秋生まれ群があるとされているが、玄海漁連魚市場に水揚げされた雄の外套背長組成に基づき推察すると、佐賀県玄海海域には毎年少なくとも2群が来遊し、年によっては3群の回遊経路となると考えられる(図1)。
また、当海域において成熟個体が多く出現するのは、生殖腺指数(体重に占める生殖腺器官重量の割合)の推移から3~6月であり、この時期に交接率(雌のうち、交接済み個体の割合)が高くなることからも、この時期が産卵盛期と推定される。
平成13年度以降、産卵盛期を中心にROV(水中カラーテレビロボット)を用いてのケンサキイカ卵塊探索を実施したが、平成13,14年度は小川島北方海域において、平成15年度は小川島と加唐島の中間海域において卵塊を確認した(図2)。このように、当海域で3年連続して卵塊が確認されたことは、佐賀県玄海海域がケンサキイカ資源にとって極めて重要な場所であることを示唆しているものと思われる。
なお、卵塊確認地点の水深は31~53m、底層の最大流速は51.0~60.3cm/sであり、いずれも中砂~粗砂からなる比較的平坦な海底であった(表)。
成果の活用面・留意点 ケンサキイカ資源の維持,増大を図るうえで有効と考えられる、産卵場の保護等の資源管理対策を講ずる際の基礎資料とする。
図表1 229666-1.gif
図表2 229666-2.gif
図表3 229666-3.gif
カテゴリ カラー ロボット

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