潮汐流を利用したノリ漁場の高度利用について

タイトル 潮汐流を利用したノリ漁場の高度利用について
担当機関 福岡県水産海洋技術センター
研究期間 2002~2003
研究担当者 小谷正幸
半田亮司(有明海研究所 のり養殖課)
福永剛
発行年度 2004
背景・ねらい 有明海区では近年、ノリの色落ちが早期に発生する年が多くなり、生産が不安定となっている。ノリ養殖主産地として生き残っていくためには、現在の漁場ごとの生産力を評価し、改善していくことが必要である。このため、漁場ごとに流れの状況を調査して、流れと色落ちの関係を明らかにし、漁場に応じた養殖施設の再配置(網の張り込み数や張り込み方向の改善)を進めることを目的とした。
成果の内容・特徴 ノリ網張り込み前と張り込み後の流速を比較して、ノリ網を張り込むことによる流速減衰率を調査した。また、筑後川河口からの距離とノリ網張り込みによる平均流速減衰率の異なる漁場内4地点の満潮時DINとノリ葉体の色調の推移を調査した。
さらに、柳川沖の試験漁場(七つはぜ)において、ノリ小間の設置間隔・設置方向を変えた3試験区を設け、ノリ葉体の色調変化を調査した。その結果、以下のことが明らかになった。
  1. ノリ網を張り込むことによる流速減衰率は40~60%とノリ網が流れを弱める要因となっており、大和町・高田町の岸側及び大牟田岸側で減衰率が大きく、漁場位置による差が認められた。
  2. 栄養塩供給の大部分を占める筑後川からの距離により、色落ちの発現時期が大きく違う。植物プランクトンの増殖がない状態では、筑後川河口から遠い沖側漁場における必要DINは4μg・at/l以上と考えられた。
  3. 植物プランクトンの増殖がない状態では、大潮時に色が回復し、流れの強さがノリの色に大きく関係していた。
  4. ノリ養殖施設の設置間隔を広くしたり、設置方向を流れに平行にすることで、色落ちの発現時期が10日程度遅れた。
成果の活用面・留意点 今後は、漁場の免許区画ごとに流れの強さや養殖施設と流れの向きなどの精密なデータを収集し、養殖施設の設置方向・間隔等について検討を進める。
図表1 229671-1.png
図表2 229671-2.png
図表3 229671-3.png
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