ベニズワイの脱皮成長の解明

タイトル ベニズワイの脱皮成長の解明
担当機関 富山県水産試験場
研究期間 2002~2005
研究担当者 前田経雄 富山県水産試験場 漁業資源課
発行年度 2005
背景・ねらい 富山県におけるベニズワイの漁獲量は長期的に減少傾向にある。効果的な資源管理方策を検討するためには,年齢や成長を明らかにしておく必要がある。そこで富山湾で採集された様々なサイズのベニズワイについて,海洋深層水を活用した飼育実験を行うことにより,脱皮による甲幅成長量や脱皮間隔を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 雌雄ともサイズのより大きな個体で,脱皮1回あたりの甲幅成長量が大きくなる傾向が認められた(甲幅約9mmではおよそ4mmの成長であったのが,甲幅約90mm(雄)ではおよそ15-20mm成長した:図1)。
  2. 脱皮前甲幅と脱皮後甲幅の関係を調べたところ,図2に示す回帰直線式を得た。
  3. 脱皮間隔(日数)は,小さな個体で短く,大きな個体ほど長い傾向が認められた(甲幅10mmでおよそ200日であったのが,50mmではおよそ400日であった:図3)。
  4. これまでの知見も踏まえると,雄が漁獲許可サイズ(甲幅90mmを超える)となるには,稚ガニ(甲幅3mm)からの脱皮回数は12回と推定された。同様に雌が成体(甲幅約60~80mm)に達するまでには,稚ガニからの脱皮回数は10回もしくは11回と推定され,ふ化後の年数はおよそ7~8年と推測された。
成果の活用面・留意点 ベニズワイの成長はかなり遅いと考えられたことから,本種の資源量は一旦減少すると回復に長期間を要すると考えられる。今回得られた成長速度は,資源の管理方法を検討する際の重要な基礎知見として活用される。
図表1 229694-1.png
図表2 229694-2.png
図表3 229694-3.png
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