岩手県沖合におけるマダラの加入特性

タイトル 岩手県沖合におけるマダラの加入特性
担当機関 岩手県水産技術センター
研究期間 1999~2005
研究担当者 後藤 友明
発行年度 2005
背景・ねらい 岩手県では、マダラは沿岸漁船漁業の重要な対象資源となっている。一方で、本海域のマダラ資源は周期的な増減を繰り返していることが指摘されている。資源管理を行うためには、資源変動を考慮に入れた管理手法を見いだす必要があるが、そのメカニズムは明らかになっていない。そこで、本研究は岩手県沖合におけるマダラの加入特性を明らかにすることを目的として行った。
成果の内容・特徴 岩手県指導調査船岩手丸を用いた着底トロールによる現存量推定調査を岩手県沖合の水深200~500mで1999~2004年の春季に行った。その結果、本海域における1歳魚加入資源水準は1998年級群と2002年級群が高水準であった(図1)。加入資源水準と平均体長を比較したところ、両者には負の相関が認められた(図2)。このことから、本海域におけるマダラの成長の善し悪しは1歳に至る過程で決まり、資源豊度がその一要因となっていると考えられた。加入資源水準について、刺網漁獲量(図1)で代表される親魚量水準及び海洋観測結果から得られた水温値とで比較したところ、加入資源水準は親魚量水準に呼応して変動する年級と少ない親魚量から高い加入資源水準が達成される年級が存在した(図3)。水温値との比較から、加入資源水準は本県沿岸域における2~5月の100m深水温の高低差と負の相関が認められた(図4)。このことから、本海域におけるマダラ加入資源水準は、親魚量水準だけでなく、産卵期~浮遊期と考えられる2~5月における沿岸域の水温変動の影響を強く受けていることが示唆された。
成果の活用面・留意点 親魚量水準と水温の情報に基づいた加入資源水準の推定を行うことにより、本海域における漁況予測への活用が期待される。今後、マダラの初期生活史における水温と生残に関する知見の集積が期待される。
図表1 229710-1.gif
図表2 229710-2.gif
図表3 229710-3.gif
図表4 229710-4.gif
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