フィッシュミール製造時に排出する煮汁からのコラーゲン回収技術

タイトル フィッシュミール製造時に排出する煮汁からのコラーゲン回収技術
担当機関 北海道立釧路水産試験場分庁舎
研究期間 2003~2004
研究担当者 辻 浩司
宮崎 亜希子
北川 雅彦
発行年度 2006
要約 コラーゲンソースとしてフィッシュミール製造時に排出する煮汁が有望であることを明らかにし、煮汁から無色で魚臭の少ない高品質なコラーゲンを回収する技術を開発した。
背景・ねらい コラーゲン(ゼラチン、コラーゲンペプチドを含む)は健康食品や化粧品に用途が拡大しているが、主原料であった牛の安全性に対する不安から他の原料に転換が進んでいる。
本研究では、フィッシュミール製造時に大量に排出される煮汁がコラーゲンソースとして有望であることを明らかにするとともに、コラーゲンの回収技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 各種原料別の煮汁についてコラーゲン含量を測定した結果、スケトウダラ残滓を原料とした煮汁にコラーゲンが最も多い(固形分当たり)ことを明らかにした(表1)。
  2. スケトウダラ残滓を原料とした煮汁について、コラーゲンの回収方法を検討した。煮汁は茶褐色を呈し、独特の魚臭を有するため、回収方法と並行して脱色・脱臭方法を検討した。
  3. コラーゲン回収方法として、煮汁を珪藻土濾過した後、限外ろ過膜(分画分子量=30,000)による分離法を検討した結果、コラーゲンの回収率が50%以上、たんぱく質中の割合が90%以上、固形物中の割合が70%以上のコラーゲンが得られた(表2)が、この方法では若干の魚臭が残存した。
  4. 次に、酸と塩析による抽出、透析やイオン交換による精製について検討した。煮汁に酢酸(酢酸終濃度0.5M)を添加し、さらに食塩(食塩終濃度3M)を加えてコラーゲンを塩析させ、水洗い後に透析やイオン交換処理することで、臭気の少ない、白色のコラーゲンを得ることができた(表3、図1、図2)。
成果の活用面・留意点 今後、経済性を考慮した大量生産技術や用途の開発を進めることにより、技術の普及を図る。
図表1 229825-1.pdf
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