無線ICタグを利用した養殖魚等の履歴表示システムの開発

タイトル 無線ICタグを利用した養殖魚等の履歴表示システムの開発
担当機関 長崎県総合水産試験場
研究期間 2004~2005
研究担当者 高田純司
岡本昭(長崎県総合水産試験場)
堀江貴雄
田口喜祥(長崎県工業技術センター)
山内和夫
袴田佳美(社団法人海洋水産システム協会)
亀田和彦(長崎大学水産学部)
発行年度 2006
背景・ねらい
消費者の「食の安全・安心」への要求は、水産物,特に養殖魚においては,生産履歴や流通履歴に及ぶ。今回,無線ICタグを使って,水産物流通環境下での情報伝達技術の開発を行うとともに長崎県内産養殖魚の個別情報を流通の川下に迅速・的確に提供するトレーサビリティシステムモデルを研究開発した。

成果の内容・特徴 1.システム開発では,1.無線ICタグ(13.56MHzのRFID)の読取り条件の決定,2.水産物流環境下での養殖魚の品質保持調査,3.ソフト開発および生産者から量販店までの養殖生産履歴・流通履歴等が閲覧できるこのモデルの実証試験を実施した。

2.RFIDの装着と読取り条件(情報の読取り領域、水・氷の有無、振動等)を把握した。1尾ごとにRFIDを装着した養殖ブリ2尾,養殖トラフグの「身欠き」12尾を魚箱に入れて同時に情報認識ができた。

3.このモデルの輸送過程における品質管理のため,温度履歴,魚肉の鮮度・物性,官能試験による嗜好を把握した。

4.このソフトは1.生産物情報a魚種b養殖履歴(餌料,投薬,種苗の履歴等)c適正養殖業者認定証,2.流通履歴a出荷者から販売店までの入荷,出荷時間b温度履歴c生産者情報からなる。

5.実証試験は,2005年11月に養殖ブリと養殖ヒラマサ各10尾,養殖トラフグ加工品(「身欠き」)24尾を用い,通常と同じ流通経路の各段階で通過時間等の情報を実験魚に装着したRFIDを介して付加した。

6.このシステムを有効に機能させるためRFIDの大量装着装置の開発を行った。

7.「食の安全・安心」にかかるアンケート調査を実施した。トレーサビリティという言葉の認知度は低いが,水産物購入は1.鮮度を重要視,2.輸入品には不安を感じる,という点から消費者の「食の安全・安心」への関心が認められた。

8.このようにRFIDを利用した個体識別管理によるトレーサビリティシステムは消費者に対する「安全・安心な魚を提供する」有効なツールとなりうる。

成果の活用面・留意点
水産物トレーサビリティモデルとしてRFIDを用いて魚体の個別識別まで可能とした。実用化にあたりRFIDの低廉化、養殖魚生産履歴等情報の容易かつ低廉なデータベース化と管理や,流通業者・消費者の容易な情報入手等コストを削減したシステム構築が課題となる


図表1 229902-1.png
図表2 229902-2.png
図表3 229902-3.png
図表4 229902-4.png
カテゴリ ICタグ 加工 コスト 出荷調整 データベース 品質保持 輸送

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