非平衡プロダクションモデルによるインド洋メカジキの資源評価

タイトル 非平衡プロダクションモデルによるインド洋メカジキの資源評価
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所
研究期間 2006~2006
研究担当者 西田 勤 (国際海洋資源研究員)
発行年度 2007
背景・ねらい
インド洋メカジキの資源評価を行いその資源状況を把握し、資源管理の基礎知見を得る。

成果の内容・特徴 インド洋メカジキの資源評価をPell-Tomlinson surplus production model (P-T)とASPICにより行った。P-T解析では、キハダ型高生産性タイプ(Schaefer)とミナミマグロ型低生産性タイプ(Fox)の2種を適応した。ASPIC解析では、Schaefer, Fox and P-Tの3種を適応した。GLMによりノミナルCPUE(日本・台湾)を標準化した。
台湾のはえ縄では、メカジキを狙う場合と狙わない場合があり、その(targeting)の補正は1994年以前では魚種組成を、以後は一鉢当りの針数を使用し、一貫性がないのでバイアスが多いと見られる。日本のCPUEは、そのような問題が少ないため、日本のCPUEを資源評価に用いた。日本の標準化CPUEには、1990年以後における超深縄操業の増加(縄仕立のレジームシフト)によるものと思われる、異質なトレンドが1990年前後で見られる。そのため、資源評価を全期間(1975-2004)と1990年以降の短期(1990-2004)の2期間に分けて行った。そのため、ASPIC(3種)・P-T解析(2種)の計5種解析に対し2期間、合計10種解析を実施した。解析の結果、6件で解が得られた(4件:短期、2件:長期)。短期の場合、安定した推定値が得られたが、長期の場合には不安定な結果となった。短期間データで得られた結果では、MSY=24-27,000トン(2000-2004平均漁獲量:28-34,000トン)、F(漁獲死亡率)比(2004/MSY)=0.7-1.1、SSB(産卵資源量)比(2004/MSY)=1.2-1.6となった。これよりインド洋メカジキの資源は、MSYレベルないしそれを超えはじた状況にあると見られる。また、データのモデルへのあてはまりの良さから判断して、メカジキの生産性は、ミナミマグロタイプ(低生産性)に近いと見られる。

成果の活用面・留意点
結果はIOTC第5回カジキ作業部会及び第9回科学委員会で合意され、その内容をもとに資源管理案(漁獲努力量を2004年レベルより増加させない)が本会議へ勧告され、本会議もこれを採択した。


図表1 229948-1.pdf
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