アゲマキ人工種苗の放流技術開発

タイトル アゲマキ人工種苗の放流技術開発
担当機関 佐賀県有明水産振興センター
研究期間 2001~2008
研究担当者 津城啓子
発行年度 2008
要約 有明海の特産貝類であるアゲマキの資源回復のために、母貝団地造成を目的とした人工種苗による放流技術開発試験を行っている。当センターで生産した平均殻長12.8mmのアゲマキ稚貝を放流し、放流1年半後には発見率がほぼ30%、平均殻長は61.5mmまで成長した。また、産卵期には生殖巣の成熟及び放卵放精を確認した。
背景・ねらい 有明海の特産貝類であるアゲマキは、昭和60年代には400t以上漁獲されていたが、平成元年から急激に減少し、平成6年以降漁獲できない状況が続き、資源回復が緊急の課題となった。そこで、アゲマキの母貝団地を造成し、再生産による資源回復策を検討するため、放流技術開発試験に取り組んだ。
成果の内容・特徴 当センターで生産したアゲマキ稚貝18,000個(殻長12.8±2.2mm、重量0.11±0.06g)を5月に鹿島市七浦地先の地盤高約3.5mの干潟10m2(2m×5m)に放流密度1000個/㎡で放流し、その後の成長・成熟状況を追跡調査した。稚貝を放流前に、10cm厚に砂を客土した後、手すき鍬で耕耘し底質改善を行った。発見率は、放流1週間後に約50%、1ヶ月後に約40%となり、3ヶ月には約30%となり放流直後に急激に減少し、その後は大きな減耗はみられず、放流1年半後の生息密度は440個/㎡であった。また、放流1年後頃から放流区域外に生息域を広げる状況が観察でき、放流1年半後には放流区域から1~1.5mの範囲に広がっており、放流区とこの生息域を合わせた発見率は30%程度であった。成長は、放流時平均殻長12.8mmであった稚貝は、半年後には42.2mmに、その後成長が停滞したが、10ヶ月後から成長し試験終了時(放流1年半)には61.5mmまで成長した。また、産卵期には成熟及び放卵・放精していることを生殖巣の組織切片で確認した。
成果の活用面・留意点
  • 当センターで開発した放流技術を関係団体等へ普及。
  • アゲマキ人工稚貝を、干潟域において大規模で効果的に放流する技術を開発。
図表1 230192-1.pdf
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