タイトル |
緑肥鋤込みによる地力活用型水稲栽培技術 |
担当機関 |
宮城県農業センター |
研究期間 |
1991~1992 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1992 |
要約 |
日減水深の少ない黒泥土壌水田にレンゲ、ライムギを栽培し翌春その場で鋤込み土壌還元化、生育抑制、地力増強効果、緑肥の分解過程等を明らかにした。施肥はライムギは基肥対応、レンゲは追肥対応するのが適正と判断した。
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背景・ねらい |
化学肥料を節減し環境保全に有効な技術が求められるなかで、緑肥の肥料的効果及び 地力増強効果等を検討し、その適正な利用技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 緑肥として穂揃期のライムギ及び開花期のレンゲを、水稲移植10日程度前に鋤込む。
化学肥料窒素はライムギには基肥3kg/10a程度のみとし、レンゲには基肥無施用、 減数分裂期追肥とする。
- 水稲生育への影響を考慮すると、鋤込み量は半量程度が適量である。
- 土壌還元化により、生育は幼穂形成期頃まで抑制され、その後回復する
(表1)。 土壌アンモニア態窒素濃度は緑肥の分解過程を反映し、レンゲ区では化学肥料区に 類似した推移を示しライムギ区では幼穂形成期から減数分裂期頃にかけて高めに 推移する (図1,2)。
- 緑肥区は籾数過剰になり易く登熟歩合が低い傾向があるが、3年間の平均収量では
堆肥化学肥料区に比較して10%程度の減収にとどまる (表1)。
- 連用4年目の跡地の窒素発現量は、ライムギ6トン/10a(全量)鋤込みにおいて著しく多く、
ライムギ3トン、レンゲ2トン(半量)鋤込みでは堆肥施用に比較してやや多い程度である。 緑肥鋤込み跡地に基肥窒素2kg/10aのみで栽培した水稲は、堆肥連用跡に比較して、 レンゲ跡では並~やや増収、ライムギ6トン跡は約30%増収し、緑肥の 地力増強効果が明かであった (表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 試験圃場の条件は、黒泥土壌、日減水深15mm程度であり、灰褐色土壌や
日減水深のより大きな圃場では生育抑制程度は軽減されると見られる。
- 緑肥は水稲収穫後なるべく早い時期に播種する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
栽培技術
水田
水稲
施肥
播種
ライ麦
れんげ
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