台風による落下リンゴの貯蔵性について

タイトル 台風による落下リンゴの貯蔵性について
担当機関 青森県りんご試験場
研究期間 1992~1992
研究担当者 工藤亜義
工藤仁郎
長内敬明
発行年度 1992
要約 台風9119号による落下リンゴを貯蔵(0度C)して、経時的に果実品質の変化及び貯蔵障害発生状況を調査したところ、早期に落下したリンゴでも翌年の3月までは加工用として、貯蔵に供し得ることがわかった。
背景・ねらい 平成3年9月28日早朝に県下を襲った台風19号により、リンゴ園は壊滅的な被害を被り、
これまでにない落果被害を受けた。そのため、落下した大量のリンゴを加工場でさばき
きれない状態となった。そこで、落下リンゴでも長期間貯蔵して、少しでも農家の救済
に役立てられないか検討した。
成果の内容・特徴
  1. 貯蔵中の品質変化: 品質変化を品種別にみると、各品種とも重量変化(目減り)はほとん
    どなかったが、硬度と酸度の低下が著しかった。酸度については「スターキング」だけ
    が6月の時点でも果汁成分日本農林規格(JAS)を上回ったが、その他の品種は下回った。
    屈折計示度は「ふじ」や「玉林」は貯蔵後にやや高まる傾向があったが、
    「ジョナゴールド」や「スターキング」ではあまり変化がなく、「北斗」では6月の時点
    でやや低下する傾向にあった。傷害の違いによる品質差はあまりなかった
    (表1、2、
    3)。
  2. 病害の発生: 病害発生は各品種とも近年多発傾向にある疫病菌による腐敗果の発生は
    なかった。疫病菌によらない腐敗は「ジョナゴールド」が特に多く「スターキング」、
    「北斗」が少なかった。「ふじ」、「玉林」はその中間程度の発生であった
    (図1)。
    総合的にみて、落下リンゴの貯蔵性は品質の面より、病害などの発生に左右された。
    当初心配された疫病菌による腐敗はなく3月までは貯蔵が可能と判断した。
成果の活用面・留意点 今後台風等による落下リンゴの取扱いが問題になった場合、このデータをもとにして、
対応することが可能である。収穫後期の落下については疫病菌の発生が心配されるため、
水洗い等で、土壌の付着を避ける必要がある。
図表1 230305-1.gif
図表2 230305-2.gif
図表3 230305-3.gif
図表4 230305-4.gif
カテゴリ 加工 品種 りんご

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