M.27台リンゴの高密栽培における光環境と果実品質

タイトル M.27台リンゴの高密栽培における光環境と果実品質
担当機関 宮城県園芸試験場
研究期間 1992~1995
研究担当者 菊地秀喜
発行年度 1992
要約 極わい性台木M.27(マルバカイドウ付き・二重台)を利用した高密植栽培で、受光態勢のすぐれた栽植様式は、333本/10a、1列植えで、葉面積指数は1.4程度であり、果実品質もすぐれた。3列植えは受光態勢が悪化し、果実品質も劣った。
背景・ねらい 極わい性台木M.27台リンゴの高密植栽培は、低樹高化が可能で、省力栽培に適しており、新しい栽培方法として期待されている。この栽培方法の問題点として、樹齢を重ねた
ときの複数列における果実品質低下や、経済樹齢の把握の必要性があげられている。
ここでは、複数列に植栽した樹を個々の樹としてとらえるのではなく、一つの大きな
樹冠として考え、栽植様式別に葉面積指数、樹冠の部位別相対日射量、果実品質に
ついて検討した。「ふじ」/M.27/マルバカイドウ(9年生)を供試し、試験を行った。
成果の内容・特徴
  1. 「ふじ」における受光態勢のすぐれた栽植様式は333本1列植えで、樹高1m以上の部分で
    おおむね30%以上の相対日射量が確保できた。444本2列植え、545本3列植えでは、樹高が
    低い部分での受光量の低下が著しく、特に3列植えが顕著であった。
    (図1)
  2. 葉面積指数が最も大きかった栽植様式は、545本3列植えで2を超えた。444本、333本2列
    植えでは、1.8前後、1列植えでは1.4程度であり、1列植えが最も葉の重なりが少なく、
    受光態勢すぐれていた。(図1)
  3. 従来、列間部分を含めた一般的なわい化栽培の葉面積指数は2程度といわれているが、
    樹高の低いM.27樹の最適葉面積指数はさらに低くなると思われる。
  4. 果実品質は、受光態勢のすぐれた333本植えの1列、2列植えの両栽植様式がすぐれた。
    特に、樹冠下部の果実品質の低下が少なかった。
    (図2)
成果の活用面・留意点 「つがる」など「ふじ」より樹勢の弱い品種は、444本/10aでも果実品質の低下は
著しくないので、品種によって栽植様式をかえる必要がある。
図表1 230310-1.gif
図表2 230310-2.gif
カテゴリ 台木 低樹高 品種 りんご わい化

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