無農薬で栽培したリンゴの病害虫による被害

タイトル 無農薬で栽培したリンゴの病害虫による被害
担当機関 秋田県果樹試験場環境部
研究期間 1992~1992
研究担当者 高橋 佑治
舟山 健
発行年度 1992
要約 リンゴを無農薬で2ヶ年間栽培した結果、1年目から早期落葉など樹体への影響が顕著で、生産された果実は格外品または病害虫による被害果で、加工用仕向にも販売可能なものはなく、農薬を全く使用しないリンゴ生産は不可能であった。
背景・ねらい 健康や安全に対する国民の関心が年々高まり、環境や食品に対する監視の目は一段と
厳しさを増している中で、無農薬栽培あるいは有機栽培表示の農産物が流通している
現状である。農薬は農業生産上必要不可欠な資材として確認し、通常の栽培体系において、農薬を全く使用しないで栽培した場合の病害虫等による被害及び品質を慣行栽培と比較
検討した。
成果の内容・特徴
  1. リンゴ``ふじ''(M.26台)6aを用いて、平成3年(11年生)、4年の2年間農薬を全く使用
    しないで栽培した結果、発生が多かった病害虫はモニリア病、黒星病、斑点落葉病、
    褐斑病、すす斑病、すす点病、モモシンクイガ、ハダニ類、リンゴコカクモンハマキ等
    で、病害虫発生の種類と程度には年次差があった。
  2. 比較対照区(慣行防除区)は秋田県の慣行により、平成3年は9回、平成4年は11回防除し、
    病害虫による被害はほとんどなく、平成3年の格外品は着色不良によるものであった。
  3. 無農薬区の被害内容では、モモシンクイガは29%(H3)から83%(H4)と極端に増加し、
    平成4年の被害果の主要因であった。すす斑病、すす点病は果面全体に発生し、外観を
    著しく悪くし、平成4年は黒星病が果実に発病し、奇形果の原因となった。2ヶ年とも
    褐斑病による早期落葉は著しかった。
  4. 無農薬区では黒星病、斑点落葉病、褐斑病による早期落葉が果実肥大(小玉化)や花芽形成
    など翌年以降の生産力に影響し、モモシンクイガ、すす斑病、すす点病、輪紋病等は
    直接果実に被害をもたらし、あるいは品質を著しく低下させる原因となって、加工用仕向
    にも不可能な果実しか収穫できなかった。
    表1 収量調査
    表2 無農薬区被害内訳
成果の活用面・留意点 病害虫の発生と被害には年次差があるものの、農薬を全く使用しないリンゴ栽培は
不可能と考えられる。
図表1 230317-1.gif
図表2 230317-2.gif
カテゴリ 有機栽培 病害虫 害虫 加工 黒星病 栽培体系 シカ 農薬 防除 もも りんご

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