リンゴ樹を加害するキクイムシ類の種類と防除

タイトル リンゴ樹を加害するキクイムシ類の種類と防除
担当機関 秋田県果樹試験場
研究期間 1992~1992
研究担当者 水野 昇
大隅専一
発行年度 1992
要約 リンゴ樹を加害するキクイムシ類は新種を含む6種が確認された。リンゴ樹への食入は4月中旬から始まり盛期は開花中であった。またアセトアルデヒド、エタノールによる誘引が認められた。防除では殺虫剤の枝幹への塗布による予防防除、孔中への注入による防除が有効であった。
背景・ねらい 秋田県では昭和59年頃から、わい性台樹がキクイムシ類の加害によって枯死する被害が
発生し、年次による発生量の多少はあるものの、県北地域で発生園が拡大している。
本害虫はリンゴにおける発生生態が不明なため有効な防除対策がなく、防除法確立のため加害種の同定及び発生生態の解明が求められた。
成果の内容・特徴
  1. リンゴ樹への食入が確認された種はハンノキキクイムシ、サクセスキクイムシ、
    ニレザイノキクイムシ、タイコンキクイムシ、カシワノキクイムシ、
    リンゴザイノキクイムシ(仮称、新種)の6種で、すべて養菌性のアンブロシアビートル
    であった(表1)。
  2. 越冬は前年食入した孔道内で成虫態で行われ、越冬成虫のリンゴ樹への食入は4月中旬
    からで食入の最盛期はリンゴの開花中であった(表2)。
    第一世代のふ化は6月始め頃からで、リンゴ樹からの成虫の脱出は7月中旬からと
    思われた。食入部位は木部が露出したところやその上部、腐らん病病斑部など樹皮の
    水分量が少ないところに多かった。
  3. 誘引源としてアセトアルデヒド及びエタノールを枝幹に塗布したところ、食入が多数
    認められ誘引源になりうると思われたが、定着率は低かった
    (表3)。また、エタノールの方が食入数が多かった。
  4. 被害樹に対して枝幹へのMEP剤の塗布処理により、食入防止効果が認められた。
    エアゾールタイプの殺虫剤による孔の外からの噴霧では生虫が認められ効果がやや劣り、
    孔中への注入処理はその後の木屑排出も認められず効果が高かった
    (表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 被害樹への処理は食入後の期間が長くなると随伴菌の繁殖につれて樹勢が衰弱するため、
    発見後直ちに処置する。
図表1 230321-1.gif
図表2 230321-2.gif
図表3 230321-3.gif
図表4 230321-4.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 繁殖性改善 防除 りんご

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