籾がらを利用した果菜類の育苗用土

タイトル 籾がらを利用した果菜類の育苗用土
担当機関 宮城県園芸試験場
研究期間 1991~1991
研究担当者 安井 孝臣
山村 真弓
発行年度 1992
要約 籾がらと土を8:2に混合した籾がら育苗用土を利用したナス、トマト、キュウリは、完熟堆肥と原土を堆積した慣行の育苗用土と同等の生産性がある。また、鉢重が軽くなり育苗期の作業性が向上する。
背景・ねらい 果菜類の育苗には、通気性があり、適度の肥料分を含み、病原菌や害虫が無く、均一で
作業しやすい等の条件を備えた育苗用土が必要である。従来、完熟堆肥と原土を堆積し、
2~3回切り返して、丸1年をかけて作ってきた。しかし、造成には多くの時間と労力を
要するので、籾がらを主材料とした速成育苗用土の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 籾がら育苗用土は、籾がらと土を8:2(容積比)に混合し、粉炭(木炭の粉末)を3%添加する。
    1m2の籾がら育苗用土は、4号ポリ鉢約1,500個分となる。
    (図1)。
  2. 肥料はコーディング肥料(14-12-14)を使用する。定植後にも一ヶ月程度肥効が持続する
    ように、育苗期間より肥効がやや長いタイプを使用する。品目別の施用量は以下のとおり
    とする(図1)。
      ナス: 100日溶出タイプ 7kg/m2
      キュウリ: 70日溶出タイプ 5kg/m2
      キュウリ: 70日溶出タイプ 5kg/m2
  3. 鉢重は慣行の育苗用土より50~60%軽くなり、育苗中の鉢ずらしや定植時の苗運搬等の
    作業性が向上する(表1)。
  4. 対象品目はナス、トマト、キュウリで、収量は慣行育苗用土と同等である
    (表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 籾がらに混ぜる土は通常育苗に用いるものを、粉炭は一般に土壌改良材として市販され
    ているものを利用する。生育むらが発生しないように、籾がら、土、粉炭、肥料を
    よく混合する。
  2. 籾がらは水をはじく性質が強いので2、3回水洗して使用する。1m位の高さに積み、
    半年程度雨ざらしにしておけば、そのまま利用できる。
  3. 鉢上げ当初はやや乾燥しやすいので、水管理に注意する。
図表1 230330-1.gif
図表2 230330-2.gif
図表3 230330-3.gif
カテゴリ 肥料 育苗 害虫 乾燥 きゅうり 栽培技術 土壌改良 トマト なす 水管理

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