タイトル |
野菜選別作業改善による労働負担軽減効果 |
担当機関 |
宮城県農業センター |
研究期間 |
1993~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
施設野菜(キュウリ・トマト)栽培における選別作業改善の効果について、小型選果機および周辺機材等の導入による省力効果と労働負担軽減効果が大きいことが明らかになった。
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背景・ねらい |
施設野菜栽培農家では、収穫期の長時間労働や作業環境の不備等による労働負担が 大きいことなどを背景に、農業労働力の担い手不足が顕在化し,野菜生産にも 停滞傾向が見られる。このため、作業の効率化と労働負担軽減などにより、担い手定着 と生産性の向上を図ることをねらいに、特に労働量の多い選別作業を中心に 改善事例農家を設定し、小型選別機および周辺機村の導入による作業改善の 実証効果を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 作業改善の内容と経費
トマト農家
センサー付重量選別機、選別機受け台、作業台、椅子、 出荷箱運搬台車、コンテナ移動用ローラー、収穫コンテナ運搬レールと台車など 経費:約100万円
キュウリ農家
センサー付形状選別機、選別機受け台、作業台、椅子、 出荷箱運搬車など 経費:約65万円
- 労働時間と生活時間の変化
- 選別・出荷準備時間の省力効果 : キュウリ・トマト1箱当たりの作業時間に
換算すると省力効果が明らかになった (表1)。
- 農作業時間の減少 : 作業改善による選別・出荷準備時間の減少により、
農作業時間全体の減少が図られ、特に睡眠・休息等の労働力再生産のため の時間が充足された (表2)。
- 作業条件と作業内容の変化
- 作業姿勢の改善 : 作業姿勢は施設野菜など、長時間の同一・継続作業
の場合に特に問題になる。キュウリ・トマト農家ともに負担の少ない姿勢構成に改善 された(表3)。
- 重量物取扱いの改善 : キュウリ・トマトの運搬は荷重が大きいため、腰痛の原因と
なっていたが、運搬レールや運搬台車導入により取り扱い重量や頻度 が減少した。さらに、持ち上げ高さや距離の短縮など総合的な負担軽減効果は大きい (表4)。
- 疲労の軽減
作業後の自覚疲労の軽減が図られた。特に、目の疲労・腰痛が軽減された効果は 大きい。対象者への作業感の聞き取りでは、いつもに追われるストレス から解放されたことや、夜間作業の解消・減少の効果を上げている (表5)。
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成果の活用面・留意点 |
- 選別機の導入は、作業台や運搬台車等の用途機材の導入等の総合的な改善で
効果が大きく高められる。
- ハウスから作業場までの収穫物運搬も省力化や労働負担軽減を図る上で重要
な課題である。
- 快適な作業条件と作業の単純化が図られることにより、雇用導入の条件整備
にもつながる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
きゅうり
出荷調整
省力化
トマト
野菜栽培
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