ブドウ晩腐病の花蕾における発生

タイトル ブドウ晩腐病の花蕾における発生
担当機関 秋田県果樹試験場
研究期間 1991~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 ブドウ晩腐病は、主に果実に発生する病害であるが、新たに開花前の花蕾での発生が確認された。発病花蕾に多量に形成された分生胞子は、病原性を有し、熟期に果実を腐敗させ、二次伝染源となることが明らかになった。
背景・ねらい ブドウのピオーネや巨峰など数品種において、開花前に花穂が褐変する障害が発生
した。症状は灰色かび病に類似するが、褐変は花蕾の部分に見られ、乾燥枯死するため
開花結実できず果房の品質が低下した。褐変障害は直接結実に影響することから、
その原因を究明し、生産の安産に寄与する。
成果の内容・特徴
  1. 花蕾の褐変部から分離された病原菌を同定した結果、晩腐病菌の不完全世代の
    Colletotrichum gloeosporioides菌によって起こることが明らかになった。
  2. 花穂の症状は灰色かび病の病徴に類似しているが、褐変は花蕾の部分にとどまり、
    乾燥枯死して結実できなくなった。
  3. 発生品種はピオーネ、巨峰、キャンベル・アーリーのほか10品種で認められた。
  4. 花蕾の発病は開花10日前頃から認められ、開花直前までに発生量が直線的に増加した。
    潜伏期間は5日から12日で、発病5日後には褐変部に分生胞子の形成が認められた。
  5. 分生胞子の形成時期は6月中旬から7月下旬で、降雨によって飛散した。飛散量は
    6月中旬から7月上旬に多く、越冬伝染源(結果母枝、巻きひげ)からの飛散量のおよそ
    5倍であった。
  6. 花蕾上の分生胞子の発芽率は高く、病源性が認められた。
  7. 発病花蕾は果実に付着すると成熟期には果実を腐敗させ、二次伝染源になることが明ら
    かになった。
    表1 ピオーネの花穂における発病推移
    図1 晩腐病菌の分生胞子飛散消長
    表2 同一果房における花穂及び熟果の発病関係
成果の活用面・留意点 開花前後の花穂の褐変症状を灰色かび病と明確に区別し、発生量を予察して適切な防除
対応を図ることができる。
図表1 230496-1.gif
図表2 230496-2.gif
図表3 230496-3.gif
カテゴリ 病害虫 乾燥 品種 ぶどう 防除

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