タイトル |
転換畑における飼料作物と小麦、大豆を組合せた3年4作体系 |
担当機関 |
青森県畜産試験場 |
研究期間 |
1993~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
水稲から切り替えた畑期間3か年において、小麦の前後作への飼料作物の導入や冬作飼料作物後作へ大豆を組入れることによりトウモロコシを主体とした主要な水田畑作物(飼料作物、麦、大豆)組合せによる3年4作体系が可能となる。
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背景・ねらい |
本県の肉牛経営は水稲との複合が多く、 水田は飼料生産基盤として重要な役割を担っている。このことから、 土地の高度利用による飼料生産の拡充をねらいとした飼料作物、小麦、 大豆を組合せた以下の3年4作体系について実用化を図った。 体系I:トウモロコシ(極早生)-小麦-ソルガム-トウモロコシ(中生) 体系II:トウモロコシ(極早生)-ライ麦・イタリアンライグラス (混播)-大豆-トウモロコシ(中生)
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成果の内容・特徴 |
- 1作目トウモロコシは9月上旬前後に刈取適期に達し、2作目小麦並びにライ麦・イ
タリアンライグラスの導入は容易である。小麦の収穫期は7月中下旬であり、3作目ソルガム の作期は7月下旬~11月上旬となる。また、ライ麦・イタリアンライグラスの収穫期は5月下旬 であり、3作目大豆は6月上旬~10月下旬の作期となる (表1)。
- 乾物収量は10a当りで1作目トウモロコシが1,500kg程度、4作目トウモロコシは
1,800kg程度が得られ、ソルガム及びライ麦・イタリアンライグラスではともに800kg程度が確保 できる (表2)。
- ソルガムではトウモロコシの機械化作業体系が適用でき作業時間は10a当りで
5.41時間程度となる。またライ麦・イタリアンライグラスでは播種は小麦に、 収穫・調製は牧草に準じた機械化体系が適応でき、 10a当り作業時間は6.29時間程度となる (表2)。
- TDN 1kg当たりの生産費はトウモロコシが37.3~42.6円、ソルガムは70.1円、
ライ麦・イタリアンライグラスは53.1円と試算され、低コストである (表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水稲・畜産複合経営において、
飼料生産の拡充をねらいとした輪作体系として活用できる。
- 体系Iは、ソルガムの作期と収量確保のため、
山間部や海岸冷涼地帯での導入は避ける。また、 体系IIはイタリアンライグラス越冬性を考慮すれば根雪期間が 90日以下の少雪地帯が適用範囲となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
機械化
機械化体系
経営管理
小麦
飼料作物
水田
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