水稲不耕起移植における被覆尿素肥料の育苗箱上乗せ施肥法

タイトル 水稲不耕起移植における被覆尿素肥料の育苗箱上乗せ施肥法
担当機関 宮城県農業センター
研究期間 1994~1995
研究担当者
発行年度 1994
要約 水稲不耕起移植において、被覆尿素肥料(LP70、LP100)を移植前に育苗箱へ散布し、移植と同時に本田に持ち込むことにより、箱施肥の施肥量と肥料選択性の拡大がはかられる。
背景・ねらい 不耕起移植において施肥を行う場合、速効性肥料では利用効率が悪く、
側条施肥も移植機の関係で難しいなど、様々な問題がある。
シグモイド型溶出被覆肥料を用いる箱施用は、
利用できる肥料が限定される。そこで、
移植前に本田での生育に必要な窒素成分全量を含む被覆肥料を育苗箱に散布し、
移植と同時に肥料が株もとに持ち込まれるという施肥法
(育苗箱上乗せ施肥法)を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 本法は、不耕起移植において、
    被覆尿素肥料(LP70、LP100)を移植前に育苗箱へ散布し、
    移植と同時に本田に持ち込むものである。
    従来のシグモイド型溶出肥料を用いた箱施肥と組み合わせることにより、
    肥料の選択幅が拡大し、初期生育の確保が必要な場合などに対応できる。
    また、移植直前の施肥量の調整が可能となる。
  2. 移植前の育苗箱に被覆肥料を散布してから苗に変化が現れるまでの期間は、
    稚苗で 5~7日であった。移植の 5~6日前に、
    あらかじめ肥料を散布しておくことが可能である
    (表1)。
  3. 被覆肥料を育苗箱表面に固定するには、
    ベントナイト(肥料重量の 10%程度)と共に散布し、
    灌水することが有効である。
  4. 本田での株ごとの肥料落下量は、植え付け本数と連動して変動するが、
    生育の変動は慣行(化成肥料全層施肥)と同等であった
    (表2)。
  5. 育苗箱上乗せ施肥法を利用した不耕起、半不耕起移植の収量は、
    LP70、LP100とも、慣行栽培での収量とほぼ同等であった
    (表3)。
  6. 基肥量は、土壌条件や耕起体系により上下するが、
    不耕起栽培での地力窒素供給量が少ないことを考え、
    おおむね慣行体系の基肥量と追肥量の合計程度とし、状況により追肥を行う。
    箱あたりの施肥量(現物g)は次の式によって求められる。
成果の活用面・留意点
  1. 速効性肥料は苗に障害を起こすので用いない。
  2. 植え付け精度が低下すると肥料落下量の変動が大きくなるので注意する。
  3. 上乗せする肥料の量は、箱あたり 1kg程度までとする。
  4. 燐酸、加里は、あらかじめ本田に慣行量を散布する。
図表1 230618-1.gif
図表2 230618-2.gif
図表3 230618-3.gif
カテゴリ 肥料 育苗 水稲 施肥 不耕起栽培

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