鶏卵の卵黄重を高めるための選抜

タイトル 鶏卵の卵黄重を高めるための選抜
担当機関 青森県畜産試験場五戸支場
研究期間 1985~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 卵黄重に対する7世代の選抜の結果、実現遺伝率は0.48±0.06、卵黄重と卵重及び卵黄重と卵重に対する卵黄重比の間の実現遺伝相関係数はそれぞれ0.73及び0.50であった。卵黄重を増加させる選抜は、卵黄重及び卵重を増加させるとともに、卵重に対する卵黄重比をも高め、卵の栄養的価値を高めるのに有効である。
背景・ねらい 過去の卵重を増加させる選抜は卵黄重より卵白重に大きな相関反応を引き起こし、
結果的に卵重に対する卵黄重比(以下、卵黄重比という)を低下させ、
鶏卵中の水分含量を高めた。大卵の選抜は一応の成果をみており、
今後は卵黄そのものや栄養固形分量の増加を考慮した
選抜育種の必要性が指摘されている。そこで、
卵黄重を増加させる選抜を7世代行い、卵形質における選抜反応及び
遺伝的関係を究明した。
成果の内容・特徴
  1. 供試鶏群は卵重を大きくする方向に選抜された経歴を持つ。
    選抜区の集団平均値は世代の経過に伴って、卵黄重及び卵黄重比が有意に増加したが、
    卵黄は有意な変化がなかった。一方、無選抜対照区は卵重、卵黄重、卵白重、及び
    卵殻重が有意に減少し、卵黄重比は優位な変化がなかった。
  2. 選抜指標は集団平均値は基礎世代15.91g、7世代16.80gとなり、
    世代当たり0.11gの有意な増加が認められた。
  3. 雌雄の平均による累積有効選抜差は3.34g、標準偏差単位で3.09であった。
  4. 実現遺伝率は0.48±0.06、卵黄重は固体選抜が有効な比較的選抜しやすい
    形質であった。
  5. 卵重、卵白重、卵殻重及び卵黄重比における実現相関反応はいずれも世代の経過に
    伴って増加し、世代に対する直線回帰係数が有意であった。
  6. これらの実現相関反応から算出される実現遺伝相関係数は卵黄重と卵重、
    卵白重、卵殻重及び卵黄重比の間でそれぞれ、0.73、0.35、0.43、及び0.50であった。
    以上の結果から、卵黄重を増加させる選抜は卵重が増加するとともに、
    卵黄重そのものをより大きく増加させることによって
    卵黄重比をも高めるのに有効であり、卵の栄養的価値を高める選抜方法として
    有用であると結論された。
図1 選抜指標の世代別集団平均値推移
表1 基礎世代の平均値及び世代当たり変化
成果の活用面・留意点 卵重の改良を必要とする鶏群では卵重の直接選抜は改良進度が早く有効である。
しかし、大卵化が進んだ鶏群に対しては卵黄重を選抜指標とすることにより、
卵重を減少させず卵黄重を増加させることが可能である。今後、卵黄重の
簡易測定法の開発が望まれる。
図表1 230659-1.gif
図表2 230659-2.gif
カテゴリ 育種 簡易測定

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