タイトル |
交信攪乱法によるりんご害虫ミダレカクモンハマキの密度低減 |
担当機関 |
青森県りんご試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
ミダレカクモンハマキの密度を性フェロモン剤を利用した交信攪乱法により低減させることができる。交信攪乱剤ハマキコンを10a当たり150~200本を成虫の活動期前に設置する。
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背景・ねらい |
ミダレカクモンハマキの防除適期はりんごの開花期であるが、 マメコバチ保護のため殺虫剤の使用が制限される。 マメコバチに安全な防除手段として交信攪乱法の普及を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 交信攪乱剤の種類
ミダレカクモンハマキに有効な交信攪乱剤はテトラデセニールアセタート剤 「ハマキコン」であり、農薬(普通物)として扱われる。成分(性フェロモン)が 製剤から少しずつ放散する。
- 使用方法
成虫期の対策であるので当年の被害は回避できないが、 翌年の密度低下が期待できる。 殺虫剤のような即効的な効果ではなく、 連年使用することで全体的な密度低下を考える。
- ハマキコンの取り付け方法
成虫の発生期前までに取り付けを終了する(5月下旬~6月上旬に取り付ける)。 枝などにひとひねりして固定するが、食い込みを避けるために枝との間に余裕を 持たせる。10a当たり100~150本を目通りの高さに7割、残りを樹の上部に 取り付ける。全園に均一に取り付けるようにするが、園周辺部はやや多めにする。 成分は空気より若干重いので、傾斜がある場合は傾斜の上部を多めにする。 また、周囲に雑木林がある場合は林地内にも設置する。 約3か月有効である。特に取り外す必要はないが、 枝などに食い込む場合がある。
- 利用上の注意
下記の条件の園地で使用する。ただし、地形などによっては下記の条件でも 効果が低い場合がある。
- 正方形に近い場合でも1ha以上であること。
- 急傾斜地でないこと
- ミダレカクモンハマキの密度が極端に高くないこと。
- 隣接園地の密度が高くないこと。
- マメコバチに対する影響は全くない。
- 1人1時間で約10aの処理可能である。
表1 ハマキコンの広域処理によるミダレカクモンハマキの密度推移及び モニタートラップの誘引数 表2 ハマキコンの広域処理区の生産者に対するアンケート
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成果の活用面・留意点 |
従来の防除法と異なるため、使用者に対して剤の特性や使用条件についての十分な 説明が必要である。
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カテゴリ |
肥料
病害虫
害虫
傾斜地
性フェロモン
農薬
防除
りんご
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