リンゴモニリア病菌核の経年的子実体形成力

タイトル リンゴモニリア病菌核の経年的子実体形成力
担当機関 秋田県果樹試験場鹿角分場
研究期間 1991~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 リンゴモニリア病の一次感染源である菌核の子実体形成能力は、発病の翌年及び翌々年の2年間有することが明らかになった。このことから過去2年の発生状況を知ることにより、樹園地の菌密度をより正確に把握することが可能になった。
背景・ねらい モニリア病の発生を予測する場合、前年の発病量の多少が当年の発生を左右する
重要な要素として考慮され、それによって防除対応を行うことが多い。
しかし時として前年発生がほとんどなかった場合でも
翌年多発生を見ることがあるため、本病の唯一の一時感染源である
菌核の生態を精査し、発生予察の精度を高める必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 発病1冬経過後の菌核は年によって発芽率が大きく異なり、
    発芽率の高低と菌核当たりの子実体形成数に比例的関係が見られた
    (表1)。
  2. 1冬経過後発芽しなかった菌核でも2冬経過後1992年では1.7%、1993年では
    17.2%の菌核が発芽した
    (表2)。
  3. 1冬経過後発芽した菌核のうち、2冬経過後も発芽した菌核は1992年が29.3%、
    1993年が4.0%あり、1冬経過後の発芽子実体数が少ない場合、
    2冬経過後の発芽菌核率が高く、逆に
    発芽子実体数が多いと次年の発芽率が低くなる傾向がうかがわれた
    (表2)。
  4. 発病後3冬経過した菌核は全て子実体を形成する能力を失っていた
    (表3)。
  5. 以上の結果から発病2冬経過した菌核のうち20~30%程度が子実体形成能力を有し、
    一次感染源になることが明らかになり、前年及び前々年の実ぐされ発生量を
    把握することにより樹園地の菌密度を推定することができる。
成果の活用面・留意点 過去2年の実ぐされ(幼果発病)発生の多少及び気象予報から、
モニリア病保護防除回数、防除時期、使用する薬剤等を決定する。
図表1 230673-1.gif
図表2 230673-2.gif
図表3 230673-3.gif
カテゴリ 病害虫 防除 薬剤 りんご

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