タイトル |
メロンの生理障害「うるみ果」の発生を軽減する施肥法と体内栄養条件 |
担当機関 |
山形県立砂丘地農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
メロンの「うるみ果」は、成熟期の日照不足により多発する生理障害であるが、被覆肥料を用いた全量基肥施肥によりその発生が軽減される。被覆肥料の緩やかな肥効特性により果実肥大期の葉柄および果実の糖濃度が高く推移することが、「うるみ果」の発生を軽減する体内栄養条件と考えられる。
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背景・ねらい |
メロンの「うるみ果」は果肉が種子側から水浸状になる生理障害で、成熟期の日照不足 により多発する。山形県庄内砂丘地域は‘アンデス’メロンの主産地であるが、この 品種は、「うるみ果」が年次により多発し、品質低下の要因になっている。そこで、 この生理障害を軽減する方法を施肥の面から検討した。
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成果の内容・特徴 |
- うるみ果の発生を軽減する施肥法としては、基肥窒素の5割を被覆肥料、残る5割を
有機化成で施用する全量基肥体系(緩効施肥)が有効である。この施肥法によれば、 従来の基肥+追肥体系に比較し、無遮光条件、うるみ果を誘発する遮光条件ともに、 うるみ果の発生が少ないだけでなく、糖度および外観も勝る場合が多い (表1)。
- うるみ果発生の多い従来の施肥体系では、果実肥大期の追肥施用により、葉柄中の
硝酸濃度が高く推移し、糖濃度は急激に低下する。しかし、うるみ果発生の少ない 緩効施肥体系では、果実肥大期の葉柄中の硝酸濃度が低く推移し、糖濃度の低下は 少なく、果実糖度は高く推移する(表2)。
- すなわち、果実肥大期に葉柄中の糖濃度が高く推移し果実糖度が高く推移することが、
成熟期の日照不足に遭遇してもうるみ果が発生しにくい体内栄養条件と考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 肥料の種類、配合割合に関しては、山形県庄内砂丘を対象とし、適応作型は、ハウス
早熟栽培、トンネル早熟栽培である。
- 施肥窒素量は、従来の施肥法における基肥+追肥の合計量とする。燐酸および加里の
施用量は窒素と同量でよい。
- 試供した被覆肥料は、ロング70日タイプである。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
生理障害
施肥
光条件
品種
メロン
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