カイコの全齢人工飼料育における上蔟法の改善

タイトル カイコの全齢人工飼料育における上蔟法の改善
担当機関 宮城県蚕業試験場
研究期間 1994~1997
研究担当者
発行年度 1994
要約 改良型蚕飼育装置および無蒸煮人工飼料を用いた全齢人工飼料育の上蔟時に循環扇による通風と回転蔟を横置きにすることにより必要回転蔟数を3/4に減らすことが可能であることが明らかになった。
背景・ねらい 改良型蚕飼育装置を用いて蚕糞蚕沙を分離しながらの5齢期人工飼料育飼育法は、
飼育~上蔟までの一連の作業が桑育に比べ大幅に省力化できる見込みであるが、
回転蔟を約2,000頭あたり縦置き4組としている。これは従来の桑育よりも収容率で
1/2、必要蔟器数は2倍の個数となり、収繭作業の際作業量の増大につながることから、
できるだけ必要数を減らすよう改善を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 1蚕箔(5号サンピー蚕箔、1.03m×1.76m)あたりの飼育密度を高め約2,500頭とし、
    初熟蚕発生時にβ-エクダイソン添加飼料を給餌した後1蚕箔あたり3組の回転蔟を
    横置きにして蚕座上に7~8cmずつ間隔をあけて載せる。
  2. 蔟器を載せた後1夜程度は循環扇等による室内の強制対流を飼料が乾燥しないよう
    ひかえめにしておき、蚕児がほぼ全量熟化した時点で最大風量とすることにより
    蔟器面での風速は50cm以上/秒となり、その結果ボール区間内での営繭が促進され、
    蔟器3組分の各段ごとの全区画数に対する営繭割合は最上段では80%、再下段では
    55%、最も少なかった段で30%で、全体平均では約50%となり収容率は従来の2/3
    程度である。
図1 蔟器横置き概略図
図2 回転蔟ボール区画別営繭割合
成果の活用面・留意点
  1. 循環扇を最大風量とするタイミングが早いと飼料が乾燥してしまい、繭質に影響する。
    また遅い場合には蔟器上部に多数の熟蚕が集まってしまい、区画外営繭となり、
    さらに同功繭が増加する原因となるので注意が必要である。
  2. 蔟器下部に乾燥した残餌が毛羽とからまって付着しているので、収繭毛羽取り機の
    ゴムベルト損傷を防止するため、収繭時にていねいに除去しなければならない。
図表1 230733-1.gif
図表2 230733-2.gif
カテゴリ カイコ 乾燥 省力化

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる