リンゴの台風被害の回復と対策

タイトル リンゴの台風被害の回復と対策
担当機関 秋田県果樹試験場
研究期間 1992~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 潮風害による落葉被害は、3年後にほぼ回復した。根の半分程度の断根樹は回復に3年を要した。断根率が高い樹の回復には樹体管理と土壌管理が有効である。わい化栽培に用いる木製支柱の耐用年数は10年程度と考えられ、素材別強度はクレオソート処理カラマツ材が優れていた。
背景・ねらい 台風9119号の甚大な被害を受けて、被害軽減の事前対策、早期復旧の事後対策の確立を目的に、台風による潮風害、断根、倒伏等の被害が樹体及び果実の生育や生理に与える影響を把握するとともに被害樹の早期回復技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 倒伏被害の多かった樹は樹高が高く、側枝本数が20本以上の樹で被害の56%は支柱の折損と曲がりであった。
  2. 潮風害による落葉被害の大きかった「王林」、「ジョナゴールド」の被害回復は2年目からみられ、3年目でほぼ回復した(表1)。
  3. 断根処理樹(80%)での樹勢回復はせん定を実施し、着果量を制限することで早まった(表2)。
  4. 断根処理時にパーライトと土壌を1:1に混和して埋め戻すことで断根部から発生する根量が増加することを観察した。
  5. 乾燥(干ばつ)年では黒ポリマルチを処理することで、順調な生育を促すことができた(表3)。
  6. 木製支柱(打ち込み75cm)の倒伏再現試験では材質的には杉材よりカラマツ材の方が強く、特にカラマツ材に防腐剤クレオソート注入の新しい支柱(長さ4m、直径9cm)の折損率が低かった(図1)。カラマツ材でも打ち込み10年後には地際部に腐食がみられその部位から折損するものも見られた。
成果の活用面・留意点
  1. 低樹高樹が落果被害が少ないことから樹高を低く改造する。
  2. 木製の支柱は地際部が腐敗していることが多いのでよく観察しながら交換する。
  3. 黒ポリマルチは乾燥(干ばつ)状況下で有効であるが、気象変動は予測できないので保険的に処理することが有用である。
図表1 230803-1.gif
図表2 230803-2.gif
図表3 230803-3.gif
図表4 230803-4.gif
カテゴリ 乾燥 樹勢回復 低樹高 りんご わい化

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