カキクダアザミウマの発生生態および防除法

タイトル カキクダアザミウマの発生生態および防除法
担当機関 福島県果樹試験場
研究期間
研究担当者
発行年度 1995
要約 1988年5月、本県で初めてカキクダアザミウマの発生を確認した。本種は主に年1回の発生で、第1世代成虫は6月下旬~7月下旬に羽化した。展葉初期、落花直後、7月10日頃および7月20日頃の計4回散布で、優れた防除効果が得られた。
背景・ねらい 本種は1975年、岡山県で最初に発生が確認されたカキのみに寄生する害虫である。本県では、1988年5月に伊達郡霊山町において発生が確認され、その後県北、県中、県南、浜通り地方に発生は拡大し、1993年に会津地方でも発生が確認された。そこで、本県における本種の発生生態および防除法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 主に年1回の発生であるが、県北地方の一部では第2世代成虫の発生が確認された。その場合の生活史は次のようであった。
    カキの粗皮下などで越冬した成虫は、5月上旬頃展葉間もないカキの若葉に寄生した。産卵は5月中旬~下旬頃までみられ、第1世代成虫は6月下旬~7月下旬頃まで羽化した。この間、幼虫および成虫が果実を加害し、被害果は黒褐色の斑点を生じるため、品質を著しく低下させた。第2世代の発生は、第1世代成虫が羽化する時期と2次伸長枝または徒長枝の展葉時期がうまく合った場合に限られた。第1世代成虫も越冬世代成虫と同様に、特徴的な被害葉を形成し、この中に産卵した。産卵は7月中旬~8月上旬頃までみられ、第2世代成虫は8月上旬~中旬頃まで羽化した。
  2. 薬剤防除時期は5月10日頃(展葉期)、6月20日頃(落花直後)、7月10日頃(幼果期)および7月20日頃の4回と考えられた。展葉期の防除により、越冬世代成虫による被害葉の発生が抑えられた。また落花直後の防除により、主に第1世代幼虫による果実の被害が軽減され、果実の被害は7月10日頃および20日頃の防除により、さらに軽減された。
    第2世代幼虫および成虫によるカキの被害はほとんど発生しないため、防除の必要はないと考えられた。
  3. アセフェート水和剤1,000倍、DMTP水和剤1,500倍、ピリダフェンチオン水和剤1,000倍などの防除効果は高く、薬害もみられなかった。
    (具体的データ)
成果の活用面・留意点 カキクダアザミウマの発生生態および薬剤防除時期が解明されたため、発生地域でのカキの生育に合わせた防除が可能である。
図表1 230813-1.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 かき 防除 薬剤

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