タイトル |
リーキの省力・機械化栽培体系 |
担当機関 |
宮城県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
リーキ栽培の諸作業のうち、これまでに開発された機械が、移植、栽培管理(培土)、収穫(掘上げ)、調整(皮むき)作業については利用可能である。これらの機械利用により労働時間は慣行栽培の64%に削減できる。
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背景・ねらい |
リーキは高温には弱いが低温には強く、寒冷地の気象に適した栽培品目で、露地栽培で新規に導入する野菜としては有望である。しかし、栽培現場では労力不足等の問題で土地利用型野菜であるリーキは栽培が困難な状況にある。そこで、新規導入を容易にするためリーキの省力・機械化栽培技術の確立を目的に、セル成型苗育苗技術及び移植、培土、掘上げ、皮むきの各作業の機械化について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 機械移植に適したセル成型苗は288、200、128穴の各サイズのいずれでも良く、各セルとも2本仕立てとし、70日程度育苗する。育苗用土は粉状か粒粉状のもので、窒素量180~300mg/lが適する(表1)。
- 移植は半自動移植機により手植えの1/5に労力が削減できる(表2)。
- 培土は管理機(はねあげ式)により、手作業の1/3に労力が削減される(表2)。培土は生育初期の7月下旬、中期の9月下旬の2回行なう。
- 掘上げは管理機にすき刃を取り付け、株元直下に刃を入れ、反転掘上げすることにより、手掘りの1/9に労力が削減できる(表2)。
- 調製は真空皮むき機により手作業の1/2ですみ、慣行水洗いより鮮度低下が少ない(表2)。
- 機械化栽培体系では、農業所得は機械経費の増加のため慣行よりは減少するが、1時間当り労働報酬は17%増える(表3)。
- 機械化栽培体系により、リーキ栽培の労働時間は慣行の64%に削減できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 播種は2月下旬~3月上旬に行い、無加温パイプハウスを利用し、夜間0℃以下にならないように管理する。
- 機械移植のため、圃場の耕期、砕土は十分に行なう。
- 栽植密度は7,400株~8,800株/10aを目安に使用移植機に応じて株間を設定する。うね幅は管理機による培土がしやすい90~110cm程度とする。
- 培土時期は遅いと葉の損傷がひどく、収量が低下するので、遅れないように行なう。培土の高さは1回当り10~15cm(2回で20cm以上)を目標とする。
- 真空皮むき機の処理時の空気圧は、ネギよりやや高めの6気圧程度とする。
- 施肥量は慣行に準ずる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
機械化
栽培技術
栽培体系
施肥
ねぎ
播種
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