過剰排卵処理による胚生産成績に及ぼす各種要因

タイトル 過剰排卵処理による胚生産成績に及ぼす各種要因
担当機関 秋田県畜産試験場
研究期間 1993~2538
研究担当者
発行年度 1995
要約 農家繋養黒毛和種牛より効率良く胚を採取するため、過剰排卵成績に及ぼす各種要因を検討した。その結果、採胚総数、正常胚数および正常胚率に対して、供胚牛の父や採卵季節(月)の影響が認められた。
背景・ねらい 秋田県では、黒毛和種の改良に積極的な地域に対して、その地域内の農家繋養牛からも胚を採取している。これらの供胚牛は、分娩間隔をあまり長引かせないように、分娩後1~2回の過剰排卵処置に止まることが多い。したがって、採卵成績が芳しくなかった場合、農家の希望する牛の胚の供給、およびその移植が実施できなくなる時もある。そこで、胚の生産性を高めるため、その成績に及ぼす各種要因を検討する。
成果の内容・特徴 過剰排卵処置は、FSH製剤24AUを1日2回、3日間皮下に減量投与、3日目にPGF類縁体750μgを筋肉内注射した。採卵は2人一組とし、二組で実施した。取り上げた要因は、年次、飼育地域、年齢、供胚牛の父および採卵季節(月)である。
  1. 1個以上採取した牛のうち、同一父牛の供胚牛が3頭以上揃っている条件を満たす個体119頭の回収卵数、正常胚数および正常率の最小二乗平均値±標準誤差は、それぞれ14.01±1.65個、8.78±1.40個および57.07±4.68%であった。
  2. 回収卵数および正常胚数では「供胚牛の父」の効果(P<.05)が認められた(図-1)。
  3. 正常胚率では「採卵季節」の効果が認められ(P<.05)、5~9月は60%以上の安定した値を示したが、秋から冬の間は著しい変動が見られた(図-2)。
成果の活用面・留意点
  1. 遺伝的に優れた雌牛から胚を採取する場合、ある程度正常胚数が予測でき、具体的な改良プログラムを作成するために有効な資料となりうる。
  2. 今回取り上げた要因以外について検討が必要である。
  3. 「供胚牛の父」の効果に加え、組合せの効果の検討も必要である。
図表1 230887-1.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる