シグモイド型肥効調節肥料による水稲の中期旺盛型生育相への改善

タイトル シグモイド型肥効調節肥料による水稲の中期旺盛型生育相への改善
担当機関 宮城県農業センター
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 シグモイド型肥効調節肥料の施用により、特別な水管理等によらない中期旺盛型生育相への改善が可能であり、穂数は減少するが、上位葉が伸長し、収量は慣行体型並みかやや勝る。施肥量は15%程度の減肥が可能であり、窒素の系外流亡による環境負荷は極めて少ない。
背景・ねらい 水稲は初期生育促進、早期穂数確保の体系で栽培されているが、
中期の生育調節が困難で、穂数、籾数の過剰を招きやすく、
後期は凋落傾向となり収量・品質は頭打ちの傾向にある。
これを打破し、収量・品質の一段の向上を図るため、初期生育を抑制的に保ち、
中期以降の生育を旺盛にして稲体活力を後期まで維持する
“への字”型栽培法を採用する農家が増加している。
普及現場からは中期旺盛型栽培法の指針への要望が強まっている。
そこで、成苗とか、深水等の特別な方法によらないで、
省力施肥による生育相改善と肥料養分流亡抑制による環境負荷軽減法検討し、
慣行栽培に優る成果を得た。
成果の内容・特徴
  1. シグモイド型被覆肥料の施用により、特別な苗の使用や水管理無しで、
    中期旺盛型生育相の確保が可能である。
  2. 止葉や第2葉の葉面積が増加し、葉位別の割合が変化するが、
    第3葉の葉面積割合と千籾当たり収量は負の相関を示した。
  3. 窒素吸収量は幼穂形成期頃までは慣行より少ないが、
    以降の吸収量は多くなり成熟期では慣行並みかやや優る吸収量となる。
  4. 窒素吸収経過を反映し穂数は慣行より劣るが、
    平方メートル当たり籾数は慣行並み、収量も同等かやや優る。
  5. 肥料は被覆尿素40日型とシグモイド型被覆尿素100日型を
    3:7に配合するのが効果的である。
  6. 施肥量は慣行の基肥+追肥合計窒素量の15%程度の減肥が可能である。
  7. 当栽培法の田面水、土壌溶液の窒素濃度は慣行体系の数十分の一であり、
    環境負荷は明らかに少ない。
  8. 玄米窒素濃度は慣行体系より僅かに高まるが、食味に影響を及ぼす程でない。
    (具体的データ)
成果の活用面・留意点
  1. 大区画圃場・大規模経営体又は熱意のある農家での追肥省略と収量安定栽培に役立つ。
  2. 複合経営体での省力安定栽培にも利用できる。
  3. 後期生育凋落地帯でも有用である。
  4. 全層施肥、側条施肥何れの施肥法でも可能である。
  5. 施肥量には特に注意して、慣行の基肥+追肥合計窒素量を超えない量とする。
図表1 230934-1.gif
カテゴリ 肥料 経営管理 水稲 施肥 大規模経営 水管理 良食味

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