タイトル |
ニセアカシア樹におけるリンゴ炭そ病菌の越冬部位及び分生胞子飛散消長 |
担当機関 |
秋田県果樹試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ニセアカシアの主として2年次組織各部位からリンゴ炭そ病菌が高率に分離され、全身的に感染越冬し、水病菌の分散に関与していることが示唆された。ニセアカシアからの分生胞子の飛散は通常6月上旬から9月中旬頃の間に認められ、その飛散盛期は6月中旬から下旬頃であった。
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背景・ねらい |
果実腐敗性病害であるリンゴ炭そ病は、一旦発生すると経済的影響が大きく、 リンゴの重要病害の一つである。ニセアカシアが本病の伝染源のひとつになっており、 感染に関与していることは既に知られているが、 本病菌の越冬部位及び分生胞子の飛散消長は明らかにされておらず、 本病の防除期を把握するために解析した。
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成果の内容・特徴 |
- ニセアカシアの当年葉、葉柄、莢、莢柄、新梢1~4年枝(芽、樹皮、棘)、前年果柄、
葉柄及び果柄、果柄脱落痕のいずれの部位からも炭そ病菌が高率に分離され、 全身的に感染及び越冬していることが認められた。 (表1、表2) - ニセアカシアから滴下する雨水に含まれる分生胞子を調査した結果、
分生胞子の飛散時期は、概ね6月上旬から9月中旬の期間であり、 飛散盛期は6月中旬から下旬頃であった。 (表3) - 以上のことから、ニセアカシアがリンゴの幼果期から成熟期まで、
長期にわたって炭そ病の感染源となっており、 この期間中の重点感染期は梅雨期の前半に当たる6月中、下旬頃と考えられた。
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成果の活用面・留意点 |
- 接種により幼果及び成熟果のいずれにおいても感染が認められることから、
ニセアカシア樹隣接園では、6月上旬頃から最終散布(9月上旬頃)まで 本病に有効な薬剤を選択し散布する必要がある。
- ニセアカシア樹隣接園で本病が常発する場合は、薬剤による防除だけでは
発生を回避できないことが多いので、できるだけニセアカシア樹を伐採するか、 有袋栽培を行う。被袋は6月中旬頃までに、有効薬剤を散布した後に行う。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
防除
薬剤
りんご
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