リンゴさび果ウイロイドのRNAプローブによる遺伝子診断法

タイトル リンゴさび果ウイロイドのRNAプローブによる遺伝子診断法
担当機関 果樹試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 DIG標識RNAプローブを用いたリンゴさび果ウイロイド(ASSVd)の遺伝子診断は、リンゴ樹の樹皮を検定材料として用いることにより、一度に多数の診断が行え、検出感度も高く、実用性の高い診断法である。
背景・ねらい リンゴさび果病病原体のASSVdの検定法として、
放射性同位元素標識の核酸プローブを用いた遺伝子診断法があり、
高感度な診断法として知られているが、特別な施設を必要とする。
近年、DIGやビオチンを標識した非放射性標識DNAプローブによる遺伝子診断法が
一般化しつつあるが、さらに高感度であるといわれるRNAプローブ(DIG標識)を用い、
ASSVdの迅速で、高感度の診断法の開発、実用化を行った。
成果の内容・特徴
  1. プラスミドベクターのpBluescript II SK(-)のHinc II サイトにASSVdの全長の
    cDNAが組み込まれたクローンを用い、T3あるいはT7DNA依存RNA合成酵素により
    DIG標識cRNAプローブを作製し、ASSVd感染リンゴ樹から抽出した核酸試料を、
    ナイロンメンブレンにスポットし、ドットブロットハイブリダイゼーションにより
    ASSVdを検出できた。
  2. ASSVd感染樹`印度`のさび果症状を示す果実及び健全`印度`果実の果皮を用いて、
    検出を行ったところ、感染樹から抽出された核酸試料にのみシグナルが検出され、
    健全樹の核酸試料ではシグナルが検出されなかった。
  3. ASSVd感染樹`印度`の樹皮、葉柄、葉、果実を用い、検出を行ったところ、
    いずれも高感度の検出が可能であったが、果実からの核酸試料でやや感度が劣った
    (図1)。
  4. 9分離株を用い、葉及び樹皮から核酸試料を抽出し、ASSVdの検出を行ったところ、
    樹皮から抽出された核酸試料では、いずれの分離株からも高感度で検出されたが、
    葉から抽出した核酸試料では分離株により差が認められた
    (図2)。
成果の活用面・留意点 分離株あるいはリンゴ品種が異なると、
葉から抽出した核酸試料では検出感度に差を生じる場合があるので
(図2)、
信頼性の高い結果を得るには、材料として樹皮を用いる必要ある。
図表1 230972-1.gif
図表2 230972-2.gif
カテゴリ サビ果 品種 りんご

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