タイトル |
マメコバチに寄生するツツハナコナダニの防除剤 |
担当機関 |
秋田県果樹試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
マメコバチの巣筒に寄生するツツハナコナダニの防除として、プロチオホス水和剤10000倍、DDVP乳剤3000倍液へのマメコバチ脱出前繭の10秒間浸漬処理が有効であった。
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背景・ねらい |
マメコバチの巣筒に寄生し増殖を阻害するツツハナコナダニの防除剤として 使用されていたサリチオン水和剤が製造中止となり、また現在防除剤として 農薬登録のある唯一の剤であるベンゾエピン乳剤は毒物であることや魚毒性が高く(D類) 水質汚濁性農薬であるため、剤の使用について規制がきびしく使用し難い。そこで 安全性が高く使用し易い剤の検索と実用化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- ツツハナコナダニに対するDDVP乳剤およびプロチオホス水和剤の殺虫効果を
ろ紙法によって濃度別に試験した結果、DDVP乳剤では1500倍、3000倍で、 プロチオホス水和剤では3000~20000倍で100%の殺虫効果が認められた (表1、2)。
- マメコバチの脱出に対する影響を脱出前繭の10秒間浸漬処理で試験した結果、DDVP乳剤
3000倍とプロチオホス水和剤800倍、1500倍、5000倍に軽い影響があったが その他の濃度では影響がなかった(表3、4)。
- 脱出後の影響ではDDVP乳剤の1500倍、3000倍、プロチオホス水和剤の800~5000倍で
脱出後死虫が認められた。また処理から脱出までの日数が短いほど強い影響がみられた (表3、4)。
- 以上の結果からツツハナコナダニの防除剤として、プロチオホス水和剤10000倍
による浸漬処理は実用性が高いと思われた。DDVP乳剤3000倍は 脱出に若干影響はあるものの実用性はあると思われた。
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成果の活用面・留意点 |
- マメコバチの脱出前裸繭を10秒間、所定薬液に浸漬処理する。
- 浸漬処理後は日陰の通風の良い場所で十分に乾かした後、冷温保管する。
- 脱出期が近づいてからの処理は脱出後の生存率に影響する場合があるので、
できるだけ早めに実施する。
- 現在ツツハナコナダニに対してプロチオホス水和剤
及びDDVP乳剤の農薬登録がないので、登録取得後に普及に移す。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
きび
農薬
防除
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