タイトル |
石灰硫黄合剤利用によるリンゴ「ふじ」の摘花効果と作業の省力化 |
担当機関 |
秋田県果樹試験場 |
研究期間 |
1996~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
中心花に確実に授粉してから石灰硫黄合剤100倍を2~4日後と4~6日後の2回散布することにより、安定的な摘花効果と摘果作業の時間短縮効果が得られた。
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背景・ねらい |
摘花作業は開花中の限られた期間に人手によって行うことから、 その作業量には限界がある。 そこで、より広範囲かつ効果的に摘花効果が発現できる薬剤利用技術の実用化が 強く望まれてきた。早期摘果による品質向上と労働力不足の対応策の一つとして リンゴ「ふじ」を対象に石灰硫黄合剤の開花中散布による摘花効果と使用法、 さらに摘果作業の時間短縮について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 散布時期は授粉してから2~4日後と4~6日後の2回散布する
(表2、図1、2)。
- 石灰硫黄合剤(100倍)の散布により、頂芽の側花の落花率は無散布に比較し
いずれの年も高くなる傾向を示した。また中心花の過剰な落花はなく、 結実不足になるようなことはなかった(表1)。
- 腋芽の中心花、側花ではさらに高い摘花効果が確認された
(表1)。
- 摘花効果は慣行作業に比較し30%程度の作業時間短縮が確認された
(表2)。
- サビ等の果面障害は特に問題にはならなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- 大規模経営では積極的な利用で早期摘果による品質向上を狙う。
- 石灰硫黄合剤の摘花効果は本剤が柱頭に付着したときに
柱頭に着床した花粉の発芽を抑制し受精能力がなくなるとも考えられるから、 人工授粉等で結実の確保を行ってから散布する。また、霜害があった場合は 結実確保を優先し使用を差し控える。
- 人工授粉をせずに使用する場合は中心花の授粉が完了したと見られる、
頂芽満開から2~3日後に散布する。
- 薬剤の散布は柱頭や花粉への付着性を高めるために
動力噴霧機を使用しての手散布が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
省力化
大規模経営
薬剤
りんご
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