トマトセル成型苗の直接定植における主枝1段摘心側枝1本仕立て法

タイトル トマトセル成型苗の直接定植における主枝1段摘心側枝1本仕立て法
担当機関 宮城県園芸試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 雨よけ夏秋栽培トマト(品種:「桃太郎」)において、セル成型苗の播種後20日の直接定植では、主枝1段摘心側枝1仕立て法は、慣行の主枝1本仕立てよりも、第3花房以降の着果が安定し、総収量、良果率に優れている。本法は、セル成型苗の直接定植を行う場合の有効な整枝方法である。
背景・ねらい トマトのセル成型苗は、近年利用が拡大している。
これまではセル成型苗をポットに鉢上げし、約1ヶ月育苗してから定植していた。
育苗の省力化を図るためには、
200穴セル成型苗を本圃に直接定植することが必要であるが、
若苗定植により生育が旺盛となるため着果率が低下し、空洞果等の奇形果が増加する。
そこで、良果収量の向上を目的とし、
整枝法について検討する。
成果の内容・特徴
  1. セル成型苗の直接定植・主枝1段摘心側枝1本仕立てでは、
    1段目の茎径はやや太くなるが、2段目(側枝1段目)以降の生育は、
    慣行ポット育苗・主枝1本仕立てと同等に推移する
    (表1)。
  2. セル成型苗の直接定植では、慣行ポット苗と比較し、第1花房の開花は4日早まり、
    第5花房では直接定植の主枝1本仕立てで12日早い開花となり、
    主枝1段摘心側枝1本仕立てでも5日早く開花する
    (表2)。
  3. セル成型苗の直接定植・主枝1段摘心側枝1本仕立ては、
    慣行ポット苗・主枝1本仕立てよりも大玉の割合が多く、
    良果収量、総収量とも慣行ポット苗・1本仕立てよりも優れる
    (表3)。特に、3段目以降の着果が優れる
    (表2)。
  4. セル成型苗の直接定植・主枝1段摘心側枝1本仕立ての果実の平均1果重は、
    慣行ポット苗・1本仕立てと同程度である(表3)。
  5. セル成型苗の直接定植での基肥施用量は、慣行の半量の窒素成分量で1kg/a程度とする
    (表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 定植時のかん水は株元に行い、
    その後第1花房が開花するまではできるだけかん水を控える。
  2. 本葉2葉期以降は花芽分化期に当たるため、夜温を12度以下にしない。
  3. 追肥は慣行と同じ時期・量で行う。
(経費概算)
トマトセル苗(200穴)の県内流通価格は1本当たり26.0円であり、
a当たり栽植本数250本とすると10a当たり苗代は65.000円となる。
ポット苗を自家育苗(雨よけ早熟栽培)すると資材費、
種子代及び諸経費で10a当たり80.560円である。
図表1 230988-1.gif
図表2 230988-2.gif
カテゴリ 育苗 栽培技術 省力化 トマト 播種 品種

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