タイトル |
寒冷地における秋ギク「秀芳の力」の三度切り栽培技術 |
担当機関 |
宮城県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
秋ギク「秀芳の力」の三度切り栽培は、従来の二度切り栽培を発展させた方法で、7月中旬挿し芽、8月上旬定植の無摘心栽培で、一番花が11月下旬、二番花が3月中旬、三番花が7月中旬に開花の年3作が可能であり、3作とも平方メートル当たり39本、44本の密植仕立て(3作とも)で、良花本数が多く、良質な切り花が得られる。
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背景・ねらい |
寒冷地の施設輪ギク栽培では、1年当たり2.5作~2.8作にとどまっており、また、 10a当たりの採花本数も西南暖地と比較して低い。そこで、秋ギク「秀芳の力」で、 施設の利用率の向上と採花本数の増加を目的に、1作目に無摘心で栽培し、 採花終了した株をそのまま利用して3回収穫する三度切り栽培法を利用し、 需要期出荷に対応した年3作栽培体系の可能性と仕立て密度について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 秋ギク「秀芳の力」では、
7月中旬挿し芽、8月上旬定植の三度切り栽培を行うことが可能である。 一番花が11月下旬、二番花が3月中旬の春彼岸、三番花が7月中旬開花の 年3作が可能であり、3作とも良質な切り花が得られる。 特に3作目の7月中旬開花は、花弁等への高温障害もなく開花させることが出来る (表1、表2)。
- この栽培法では
3作の仕立て密度を平方メートル仕立て本数33本、39本、44本で比較した場合、 仕立て密度が高くても良花本数が確保され仕立て本数39本、44本の密植で、 1年当たり110本以上の良質な切り花が得られる (表3)。
- 三度切り栽培は、下記のとおりとする。
- 1作目は、作期の短縮と2作目の側枝の発生をよくするため、無摘心栽培とする。
- 芽の仕立ては、2作目、3作目とも地際から発生する中芽を仕立てる。
- 整枝は、前作終了後、直ちに地際から3~4cm程度で切り戻し、
草丈10cm以上で整枝する。
- 日長処理は、2作目は1作目の切り戻しから、
3作目は2作目の収穫が1/2程度済んだ頃から電照を行う。 消灯時期は、草丈50cmを目安とする。3作目は長日期にあたるため、 消灯後シュードを行う。
- 温度管理は1作目終了後、5度以下の自然低温に2週間程度遭わせる。
その後と2作目終了後の切り戻し時から2週間程度、低温気温18度に加温し、 地際の芽の伸長を促す。
- ジベレリン処理は、草丈の伸長を促すため、
2作目、3作目とも加温開始時~2日後にジベレリン100ppm液を、 その1週間後に50ppm液を1茎当たり2ml散布する。
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成果の活用面・留意点 |
1作目の育成を促進するため、穂冷蔵した苗を用いる。 施肥は、2作目、3作目にそれぞ液肥でa当たり窒素成分量で0.5kg追肥する。
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図表1 |
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カテゴリ |
温度管理
高温対策
栽培技術
栽培体系
出荷調整
施肥
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