タイトル |
黄化処理を利用した取木によるリンゴ極わい性台木JM5、M.27の根量増加法 |
担当機関 |
宮城県園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
マルバ台に接木したリンゴ極わい性台木JM5、M.27の発根は、黄化処理を利用した取木法により通常の取木法に比べて著しく増加する。根系台木を除去すれば、十分に発根したわい性台木が得られる。
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背景・ねらい |
極わい性台木JM5は挿木繁殖は簡単なものの、その後の生育が緩慢であり、 またM.27は発根が困難であるため、 根系台木マルバカイドウに接木して1年経過した後でも わい性台木部分から十分に発根した優良な苗木を得ることは難しい。 そこで、黄化処理を取木法に応用し、わい性台木の根量増加法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 黄化処理を利用した取木の手順
- 前年の挿し木繁殖で発根したマルバカイドウ(マルバカイドウの長さは15cm)
に極わい性台木(JM5、M.27)を接木する。
- 接木したわい性台木の発芽前に、接木苗全体を厚さ0.1mmのシルバーポリで被覆し、
完全に遮光する。
- 黄化した新梢が10cm以上に伸長した時点で、黄化した部分に土寄せを行う。
土寄せした部分にはトンネル状に黒寒冷しゃで50%の遮光を行い、 黄化部分の過度の日焼けを防止する。
- 新梢の先端が緑化し、新葉が数枚展葉した時点で寒冷しゃを取り外す。
その後は灌水、施肥、土寄せを数回行う。
- 黄化処理を利用した取木で得たわい性台木からの発根率は、通常の取木法と比較し、
顕著に高く、発根数、根長も十分で豊富な根量が得られる (表1、図1、 図2)。
- 黄化処理を利用した取木で得たJM5は、やや新梢長が短いが、
マルバカイドウを根系台木とし、 「ふじ」を接木した後の生育は通常の二重台方式と遜色ない (表2)。
- 根系台木を除去すれば、十分に発根したわい性台木が得られる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本法により、JM5、M.27の発根率を高め、優良苗の普及が可能になる。
- わい性台木を接木するマルバカイドウは、根量が十分にある生育良好なものを選ぶ。
- 通気性、保水性に富んだ膨軟な土壌で土寄せする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
馬
挿し木
施肥
台木
繁殖性改善
りんご
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