タイトル |
カキ「刀根早生」高接ぎ樹の衰弱要因と回復方法 |
担当機関 |
山形県立砂丘地農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
カキ「刀根早生」高接ぎ樹の衰弱は、高接ぎによる根の先端伸長の抑制または停止と高接ぎ2~3年後の着果過多による樹体の栄養不良、高接ぎ樹の接木部分における通水性の悪化などの要因が重なり発生する。これらは、衰弱程度に応じた、葉面散布と追肥により回復可能である。
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背景・ねらい |
カキの品種更新は、早期に収量が得られる高接ぎ一挙更新法を取り入れているが、 「平核無」に「刀根早生」を高接ぎすると、 接木後4~5年目に樹勢の低下や衰弱が見られるので、 原因を究明し対策方法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- カキ「刀根早生」の高接ぎ樹に発生する衰弱は、以下の要因によると考える。
- 高接ぎ更新樹は、細根の先端伸長が抑制又は停止している根の割合が多く、
細根の比率が低いため、TR率が高い(表1、図1)。
- 高接ぎ2~3年後、着果量が多い(表2)。
- 高接ぎ部位の通水性が悪い(図2)。
- 衰弱樹の回復方法は衰弱程度により異なる(図5)。
- 衰弱程度は、葉色、葉面積、新梢長で判断できる
(図3、4)。
- 衰弱程度が新梢15~20cm、葉面積80平方センチメートル以上、葉色50以上の樹では、
葉面散布を6月にN:200ppm3回または10アール当り窒素5kg程度の追肥を行う。
- 衰弱程度が新梢15cm前後、葉面積70平方センチメートル以上、葉色50以上の樹では、
10アール当り窒素5kg程度の追肥と葉面散布を6月にN:200ppm3回行う。
- 上記以上に衰弱した樹では、全て摘果し、葉面散布を6月にN:200ppm3回と
10アール当り窒素5~10kg程度の追肥を加えるが、回復の効果は劣る。
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成果の活用面・留意点 |
- 衰弱程度が重くなると回復が難しいので、軽いうちに対策を行う。
- 堆肥などの有機物を施用すると回復効果が高い。
- 施肥は基肥を秋に窒素12kg/10aを施用する。
- 衰弱程度の判定は、新梢長は側枝先端部、葉面積は7月の側枝先端新梢の最大葉、
葉色は、葉緑素計(SPAD-502)で行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
かき
施肥
高接ぎ
品種
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