採卵鶏の育成期における体重に応じた飼料給与法

タイトル 採卵鶏の育成期における体重に応じた飼料給与法
担当機関 青森県畜産試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 「体重に応じた飼料給与法」は、幼、中及び大雛用飼料切り替え時に体重を測定し、種鶏会社が配布しているマニュアル記載標準体重との比較において飼料の切り替えを決定する方法であるが、従来から行われている「週齢別飼料給与法」に比較して、初産を早め、銘柄によって産卵率を約6ポイント、平均卵重を約1g高め、経済的に有利である。
背景・ねらい 最近の採卵鶏は性成熟が早くなっていることから、
発育を積極的に促進する飼料給与を行い、
性成熟時体重を出来る限り大きくすることが推奨されている(奥村1994)。
育成期飼料の切り替えは、従来から雛の標準的な栄養要求量に基づき、
実際の発育とは無関係に一定週齢に達すると栄養素濃度の低い飼料に順次切替える
「週齢別飼料給与法」が行われているが、養鶏場によっては発育を遅らせ、
生産性を十分発揮させていないところがある。
これに代わる方法として、奥村は実際の発育を考慮し、
それぞれの銘柄が定める標準体重に達した時点で飼料の切り替えを行う
「体重に応じた飼料給与法」を提案している。
このたび、これら二つの育成期飼料給与法について
産卵性及び経済性を比較したところ、
「体重に応じた飼料給与法」の有利性が認められたので参考に供する。
成果の内容・特徴
  1. SH、HNの「体重に応じた飼料給与法」は通常の幼雛用飼料(CP18%、ME2,800kcal/kg)
    を12週齢まで給与することによって標準体重に達する。
    一方、DKは6週齢までの幼雛用飼料給与で標準体重に達する
    (表1)。
  2. 12及び18週齢体重は三銘柄とも「体重に応じた飼料給与法」が「週齢別飼料給与法」
    に比べ有意に重くなる(表2)。
  3. 「体重に応じた飼料給与法」は「週齢別飼料給与法」に比べ、
    初産日齢を2~5日早め、SHでは産卵率を約6ポイント高め、
    HN及びDKでは平均卵重を約1g重くする(表3)。
    これらの産卵率及び平均卵重における飼料給与法間差は
    産卵全期間を通じれ見られる。
  4. 卵1kg生産に要する飼料費は「体重に応じた飼料給与法」が「週齢別飼料給与法」
    に比べ三銘柄の平均値で4.5円少なくなる(表3)。
    鶏1羽は76週齢までに約20kgの卵を生産するので
    1羽当たり飼料費の節減効果は約90円となる。
成果の活用面・留意点 「体重に応じた飼料給与法」の具体的方法
  1. 幼、中及び大鶏用(飼料会社によっては前、中及び後期用)
    飼料切り替え時に体重を測定する。
  2. 体重は一鶏群最低100羽を無作為に抽出し個体別に測定する。
  3. 鶏群平均値を算出し、飼養銘柄のマニュアル記載標準体重と比較する。
  4. 標準体重に達していない場合、飼料切り替えを行わず、
    栄養素濃度の高い飼料を引き続き給与する。
  5. その後、毎週、同一個体の体重を測定し、
    鶏群平均値がその週齢の標準体重を超えた時点で
    栄養素濃度の低い飼料に切り替える。
図表1 231210-1.gif
図表2 231210-2.gif
図表3 231210-3.gif
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