省農薬米に対する消費者の評価

タイトル 省農薬米に対する消費者の評価
担当機関 宮城県農業センター
研究期間 1994~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約 米の購買意識について、消費者にアンケートを実施した。AHPによって分析したところ、消費者は米を購入する場合に、「味」と「安全性」を重視する。また、水稲栽培において農薬使用量が現行より50%削減される場合(減農薬米)、無農薬の場合(無農薬米)ともに消費者が許容する購入価格の上限は慣行栽培の米の価格の10%増とする回答者が最も多い。
背景・ねらい 農薬を削減して栽培された米を評価する一方法として、
消費者側の米に関する購買意識と、省農薬米の購入意向や価格的価値観を把握する。
成果の内容・特徴
  1. 調査対象及び方法
    消費者704名(女性601名、男性103名)。
    仙台市、岩沼市の大型スーパーマーケットの店頭でのアンケート。
    平成9年6月から7月にかけて実施。
  2. 消費者の米の購買意識
    米の購入に際しての消費者の購買意識を調査した。
    評価基準としては、「価格」、「安全性」、「味」の3点
    (レベル1)、また、
    「味」を決める評価基準は大きく「産地」、「銘柄(品種)」の2点とした
    (レベル2)。
    この各項目をAHP(Analytic Hierarchy Process)により一対比較して
    個人のウエイト(重要度)を計算し、
    これを基にして回答者全体の総合的なウエイトを算出した結果、
    「味」と「安全性」に約4割のウエイトがあり、
    また「価格」に対するウエイトが約2割と低かった
    (図1)。
    消費者は購入する米を「味」と「安全性」を重視して選ぶ傾向があるといえるが、
    「味」に影響する要素としては「産地」と「銘柄(品種)」をほぼ同程度と見ている。
  3. 省農薬米の購入傾向
    米生産時の農薬を慣行より「50%削減」と「無農薬」の2段階に設定し、
    これらの米に対する消費者の購入意欲と購入価格の上限(許容できる最高価格)
    を算出した。
    購入価格の上限の質問には、選択肢方式で慣行栽培米価格の「1%増」から
    「200%以上増」までの20段階の上限価格を設けた。
    農薬を削減して栽培した米の価格が高くなった場合の購入希望者は、
    「50%削減」の場合、「無農薬」の場合ともに回答者の約75%である
    (図2)。
    また、購入すると回答した消費者の購入価格の上限の平均値は、
    農薬を「50%削減」した場合で慣行栽培米の価格の16.5%増
    (慣行栽培米の価格を100とすると116.5%)、
    「無農薬」の場合で慣行米価格の20.3%増である。
    なお、中央値は「50%削減」の場合で10%増、「無農薬」の場合で15%増であり、
    「50%削減」と「無農薬」の最頻値はともに10%増である
    (図3)。
成果の活用面・留意点 農薬「50%削減」は「勇気農産物等表示ガイドライン(農林水産省)」の
減農薬栽培農産物に相当し、同じく「無農薬」は無農薬栽培農産物に相当する。
また、今回の調査では化学肥料の使用の有無を明記してないので
無農薬栽培であっても有機農産物とは限らない。
図表1 231216-1.gif
図表2 231216-2.gif
図表3 231216-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 有機農産物 水稲 農薬 評価基準 品種

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