4齢蚕用人工飼料の試作

タイトル 4齢蚕用人工飼料の試作
担当機関 宮城県蚕業試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 飼料のpH調整した4齢蚕用人工飼料を試作し、その飼料を用いて飼育試験を実施したところ桑葉育並の良好な成績が得られたので、さらに改良することで4齢人工飼料育の実用化が可能である。
背景・ねらい 養蚕施設の有効利用を図るためには、
1~4齢人工飼料育・5齢桑葉育による1週間養蚕および全齢人工飼料育による
多回育周年繭生産技術を確立する必要がある。しかしながら、
4齢蚕を市販の人工飼料(以下、対照飼料)で飼育した場合、
絹糸腺異常による不吐糸蚕およびその延長である死にごもり繭が出現する傾向にある。
そこで、化蛹歩合が桑葉育並となるように4齢蚕用人工飼料を試作した。
成果の内容・特徴
  1. 組成(表1)
    桑葉、畜産用脱脂大豆、片栗粉、砂糖およびセルロール粉末を主成分とする。
    それに、ビタミン類では大豆油で溶かしたβ-カロチン、塩化コリン、
    イノシトールおよびL-アスコルビン酸、酸化防止剤のクエン酸、
    抗生物質のクロラムフェニコール、防腐剤のプロピオン酸と固形剤のゲランガムを
    添加する。また、飼料水分を主成分乾物重の2.2倍量となるように加え、
    pH調整のためにりん酸水素二ナトリウムを添加する。
  2. 桑葉の自給法
    生桑葉を60度Cで乾燥し粉末にする方法(以下、試作乾燥)、または、
    生桑葉をそのまま所定量のプロピオン酸水溶液を加えながらミキサーで生桑葉ジュース
    (以下、試作生葉)にする2つの方法がある。
  3. 製造手順(図1)
    りん酸水素二ナトリウム水溶液、または、生桑葉ジュースに、
    片栗粉および添加物類を溶かし、85度Cまで煮て、残りの主成分を加え、練り合わせ、
    成型、冷蔵する。
  4. 試作飼料の飼育および繰糸成績(表2)
    試作乾燥と試作生葉飼料の成績の間には差がない。飼育経過は対照飼料に等しく、
    1箱あたりの給餌量は53Kgである。飼育中は、
    試作飼料が軟らかくて腐敗するので生理障害蚕が発生するため、
    対照飼料より減蚕数が多い。上蔟後は、順調に吐糸営繭し化蛹歩合、
    収繭量および繰糸成績は桑葉育並である。
  5. 試作飼料の材料費(表1)
    自給桑葉を生葉1Egあたり50円とし、その他の材料を実費購入価格で算出すると、
    湿体1Kgあたり167円である。
成果の活用面・留意点 防腐のためにプロピオン酸0.7%およびソルビン酸0.2%を添加する必要がある。
図表1 231376-1.gif
図表2 231376-2.gif
図表3 231376-3.gif
カテゴリ カイコ 乾燥 生理障害 大豆

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