豚の肉質に及ぼす肥育期間、部位および熟成の影響

タイトル 豚の肉質に及ぼす肥育期間、部位および熟成の影響
担当機関 宮城県畜産試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1999
要約 制限給餌により体重が一定でと殺日齢が異なるミヤギノポーク(LWD)では、豚肉の柔らかさはと殺日齢が約30日と60日増加すると8%~19%硬さが増す。また、肉の柔らかさはロースの部位で異なり、第5-6胸椎部位が最も柔らかく、ついで第4-5腰椎部位、最後胸椎部位が最も硬い。さらに、6日間の熟成により10%肉が柔らかくなった。
背景・ねらい 低価格な外国産チルド豚肉の輸入増加の中で、安全で美味しい高品質な国産
豚肉の生産が求められている。豚肉の食味性の中で柔らかさは最も重要な要素と
言える。柔らかさは豚に給与する飼料内容よりも豚の品種や系統など遺伝的な
要素に支配されることをこれまで明らかにしてきたが、遺伝的に同じ素材に
ついてと殺日齢を違えた場合どの程度柔らかさが異なるか明らかでない。また、
ロースは部位により構成される筋線維の型や結合組織の量や質が異なることに
よりその柔らかさも異なることが予想される。さらに、豚肉は熟成により
柔らかさが増すがどの程度柔らかくなるか明らかでない。そこで、遺伝的に
同じ素材を使い、飼料を制限して肥育期間を調整した肥育試験を実施し、
タケモト電器社製テンシプレッサーを使いロース肉の柔らかさを比較した。
同時にロースの異なる部位についても比較した。さらに、6週間の冷蔵保存に
よりどの程度肉が柔らかくなるか比較した。
成果の内容・特徴
  1. 制限給餌(不断給餌の80%と60%)により不断給餌の対照区と比べと殺日齢が約30日
    ずつ異なる肉豚を生産できた。制限により筋肉内脂肪が減少し、テンシプレッサー
    を使って測定した加熱調理(70度C、30分)後の肉のTenderness(柔らかさの指標)が
    有意に高く、硬くなった(8%と19%)。また、噛みごたえの指標であるToughnessも
    高くなった。ドリップロス、加熱損失率は日齢の増加とともに良くなる傾向が
    示された。去勢は雌より筋肉内脂肪が多いが肉の物理的特性値では差が
    認められなかった(表1)。
  2. ロース部位により筋肉のTendernessが異なり、第5-6胸椎部位が最も柔らかく、
    ついで第4-5胸椎部位、最後胸椎部位が最もTendernessの値が高く、硬いことが
    示された。また、加熱損失率は部位間で差が認められなかった
    (表2)。
  3. と殺後1週間の肉の熟成により有意にTendernessの値が低くなり柔らかさが増加する
    ことが示された。同時に柔軟性の指標であるPliabilityが減少し、柔軟性が
    無くなることも示唆された。さらに筋肉内脂肪は変化無いが、加熱損失率が
    増加することが示された(表3)。
成果の活用面・留意点 本試験では飼料の制限により肥育期間を延ばし、と殺体重を同じにしている。
飼料制限をせず肥育期間を延長し、と殺体重が異なる場合は筋肉内脂肪が増加し
Tenderness(肉の柔らかさ)が変わる可能性がある。
図表1 231549-1.gif
図表2 231549-2.gif
図表3 231549-3.gif
カテゴリ 品種 山羊 良食味

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